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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
220/558

220 スキルを磨こう【他世界の話】

 香々美フジコはゼウスに提案した。

「やっぱりこの能力スキル封印した方が良いのでは?」


 ゼウスは担任の海野ランに目をった。

 すると海野は困った顔をして副担任のみかどソヨギの方を見た。


 帝も同様に困った顔をした。

「そうですね。これじゃあらちが明きません。」


 香々美フジコの基本能力スキル『フォロワーズ』はこのバーチャル世界のすべてを本人にとって都合の良い”味方”にしてしまう。

 遂先ほどもSSランクのレベル21一千万体が出現したのだが、敵はいきなり同士討ちを始め、残った者は自滅してしまった所だ。


 ゼウスは困惑した表情で言った。

「けどさ、このスキルがどれ位の敵まで通用するかってのも分からないし……。逆にこの能力スキルを封印しちゃったら強敵に対応出来るのかってのも不安だしなあ。」


 海野は下唇を突き出した。

「すべてがイレギュラー過ぎるんだよな。」


 帝は「う~ん」とうなった。

「それじゃあSランクのレベル1に戻して『フォロワーズ』なしでやってみましょうか?」


 海野は頷いた。

「そうだな、それで様子を見てみようか。」


 先程から退屈そうにしていた香々美フジコはその提案を受け入れた。

 ゼウスは先ずSランクのレベル1を一体出現させた。


 香々美フジコは敵にふらふらと近づくと「え~い!」と言いながら途轍とてつもなく弱弱しいパンチを敵に当てた。

 コツン。

いった~い! 突き指した。」


 海野たちは「あちゃ~」と言って目を覆った。

 その時、敵の右拳が高々と振り上げられた。

「おい! 敵の攻撃が来るぞ!」


 香々美フジコは「きゃっ」と言いながら後ろを向いて頭を抱え込んでしまった。

 海野がその場に向かおうとすると帝が呼び止めた。

「待って。敵の様子が……。」


 海野が目を凝らしてモニターをよく見ると敵は何と振り上げた拳をゆっくりと下に降ろしているではないか。

「あれ? 『フォロワーズ』は封印したんじゃないのか?」


 帝は自分の簡易モニターで香々美フジコの能力一覧を見ながら言った。

「いえ、違うみたい。これは固有能力スキル『ノット』。相手の攻撃を封じる力よ。」


 海野は敵の動きがしっかり封じられている事を確認した。

「成程、だから相手は微動だにしないのか。」


 香々美フジコはゆっくり後ろを振り返るとすぐ後ろで立ち尽くしている敵にビクリとした。

 だが敵が制止している事を確認するとほっと胸を撫で下ろした。

「はあ、上手く行った。能力これ、初めて使ったから……。」


 香々美フジコは制止した敵に弱弱しいキックを当てながらぼやいた。

「もう! びっくりした~。でもどうやってやっつければいいんだろう……コレ。」

 するとその敵は右手で胸部の甲冑を引きがしおのが胸中に固定された核を破壊してしまった。


 敵が砕け散る中、帝は能力一覧を眺めながら言った。

「これは固有能力スキル『レット』。『ノット』が動きを止めるのに対して『レット』は意のままに操る力みたいね……。」


 海野は途方に暮れた。

「何かさっきの能力やつの強化版じゃないの……。強化されちゃってるよ……どうすんの?」


 ゼウスは無表情で言った。

「じゃ、じゃあこれも封印してもらう……?」


 かくくして香々美フジコはゼウスの言った通り『レット』と『ノット』をも封印する事となった。

「私って戦闘用の能力スキル持ってんのかな? みんなみたいに相手をドッカ~ンてやっつけるやつ……。」


 帝は首をかしげながら言った。

「う~ん。この一覧を見る限りではそう言う能力スキルは見当たらないわね。」


 香々美フジコは何かをひらめいた様な顔をした。

「あ、これ使えるかな? ゼウスさん、次お願いします。」


 ゼウスは確認した。

「え、いいの? そんじゃあ出しちゃうよ。」


 先程と同じSランクレベル1の敵が一体現れた。

 香々美フジコは前に手をかざし念じる様に「えい!」と叫んだ。


 すると敵の身体がぐにゃりとゆがんだかと思うと小さく縮小し、やがて消滅した。

 海野は怪訝けげんな顔をした。

「今度は何が起きたんだ?」


 帝は少し戸惑いながらも海野に解説した。

「これは……成程ね……けどこんな使い方をするなんて! 彼女は特殊能力スキル『オルタレーション』で今の現象を引き起こしたみたい。」


 海野は質問した。

「何だ、その『オルタレーション』? 法則改変……そうか! 香々美は重力を操ったって事だな! 何て威力だ……。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

<反乱軍オリュンポス>GmUから仲間を奪還し正常化を目指す組織

 ゼウス … 総司令。敗戦後ガイアの中に隠れ潜む。

 クロートー … ニュクス先駆隊。長身で細身。モイラ三姉妹の長姉。

 ケラシス … ニュクス先駆隊。屈強。モイラ三姉妹の次女

 アトロポス … ニュクス先駆隊。少女の様な見た目。モイラ三姉妹の末妹



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