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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
213/624

213 SSSは3Sで次は4S【他世界の話】

 Z組の生徒たちは教室に設置された特大のモニターで自分たちのダイジェストを見ていた。

 このダイジェストはコンピューターが自動で作成したものだったが、なかなか分かりやすく出来ていた。


 ゼウスたちがそうであった様に生徒たちもお互いの能力スキルに目を見張った。

 北守カズミは彼女たちの多種多様な能力に感心した。

「音楽系3人の能力も尋常じんじょうじゃないな。場合によっちゃ私でも勝てないかもしれない。」


 担任の海野ランたちは別のモニターから覗いている。

「北守、お前こいつらともやり合おうとか考えてんじゃないだろうな。」


 北守カズミは文句を言った。

「いや、あれは非天から掛かってきたわけで……珍しく。まあ、確かに戦ってみたいとは思いましたが……。」


 蛇代ヨウコはゼウスに言った。

「ゼウスのおっちゃん。SSSランクの次って何かあんの?」


 ゼウスは答えた。

「いや、SSSランクが最後だね。分かってる。勿論その次も考えているさ。」


 海野は眉をひそめた。

「まさか……やつの領域に入るつもりですか?」


 非天レイカはその言葉に反応した。

「やつの領域?」


 副担任のみかどソヨギは不安げな表情でゼウスの方を見た。

「いくら何でも実戦はまだ早すぎるのでは?」


 北守カズミは目を大きく見開いた。

「実戦!?」


 ゼウスはやや真面目な顔で蛇代ヨウコに質問した。

「お嬢ちゃんの見立てはどうだい? 行けそうかな。」


 蛇代ヨウコはゼウスから送られた第四階層のデータを使って解析した。

「う~ん、その第四階層? 今のままだとちょっときついかも……。」


 歌寺ミナモは先程までの自信たっぷりの態度は何処へやら、不安気な面持ちで文句を言った。

「ちょっとちょっと! 何よその第四階層って?」


 帝は階層について説明した。

「階層ってゆうのはある意味GmUゲームの防御壁みたいなもんで、それが第四階層まであるらしいの。勿論ただの壁じゃなくて多くの敵やトラップが仕掛けられているわ。」


 非天レイカと北守カズミは「いよいよか」と言わんばかりに目を輝かせながら聞いていた。

 香々美フジコはいつも通りボーっとした表情でモニターを眺めていた。

 鳥山イツキは何やら思考をめぐらせている様子だった。


 海野は話を継いだ。

「そう。それで4つ目の壁の向こう側にはGmU本体がひかえてるってわけだ。ちなみにランクのS,SS,SSSはそれぞれ第一から第三階層までの敵をシミュレートしたものだ。」


 ゼウスは蛇代ヨウコの答えを考慮しつつ提案した。

「そうか、なら第三階層から始めてみようか?」


 非天レイカと北守カズミは同じ意見の様だった。

ず一度その第四階層ってのを見させてもらえませんか? 何処から始めるかはその時判断するって事で。」


 ゼウスは二人の意見を聞き入れた。

「ま、いずれは行かなけりゃならんわけだしね。但し、ここからはGmUむこうの世界と大きく関連付けられる事になるから色々と気を付けにゃならない。」


「え? ちょっと待って! 話が急展開過ぎて付いて行けない! 向こうの世界って何? もうGmUと闘うの? 無理、絶対無理よ!」

 歌寺ミナモの表情から彼女が焦燥しょうそうしている事が見て取れた。


 帝は柔和な表情で彼女をなだめた。

「落ち着いて、歌寺さん。あなたはゆっくりでいいんだから。私たちなんてね、あっちの世界に行き着くまで半年以上も毎日訓練してたのよ。しかも結局は向こうに行けなかったしね。だからあなたも自分のペースでいいのよ。途中で止めたって誰も文句は言わないわ。」


 海野は「そうそう」と言いながら頷いた。

「それにお前らにはまだこっちの世界でやらなくちゃならない事が山ほどある。そもそも能力スキルってのは何度も使用しては検証しながら成長させて行くもんだ。その為にこんなゲームで訓練してるわけだしな。」


 歌寺ミナモは少し落ち着いた様子で胸を撫で下ろした。

「ふう、あせったわ……。いきなりGmUと闘う羽目になるかと思ったわよ。」


 蛇代ヨウコは歌寺ミナモの肩をポンと叩いて頷いた。

「うん、私もちょっと焦ってた。」


 鳥山イツキと香々美フジコも同意した。

「分かるよ、歌寺。なんつってもまだ初日だしな。私たちはゆっくりやらせてもらおうじゃないの。」

「うん、GmU怖いし。」


 歌寺ミナモはみんなも同じ気持ちだった事を知りホッとした。

 非天レイカはそんな彼女に優しく微笑んだ。

ずは私たちが向こうへ行って様子を見て来る。あせる必要はない。それぞれのやり方で行こう。」


 北守カズミは意気揚々と宣言した。

「ああ、可能なら私たち二人でGmUの野郎をやっつけてやる!」


 海野は半笑いで言った。

「おいおい、やっつけるのが目的じゃないぞ。GmUに取り込まれた二人を救出するのが目的だからな。」


 ゼウスは自分の胸をドンと突いて少し大きな声で言った。

「勿論、取って置きの用心棒も一緒に付いて行かせるさ。いざと成ったらそいつらが何とかしてくれる。万全ばんぜんで行こうじゃないか!」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

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