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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
212/624

212 ロボ発進【他世界の話】

 ゼウスは何処どこに居るのか分からない鳥山イツキに声を掛けてみた。

「あの~、鳥山氏。何やら大変な事になってる様だけど……。聞こえますか~?」


 パッとモニターが切り替わり鳥山イツキの姿が映し出された。

「あ、どうも。ちょっと待っててもらえますか。今丁度、敵が攻めて来る所なんで。」


「敵? 一体どんな状況なんだろう……。」

 ゼウスは超特大モニターを出現させてその様子を見学する事にした。


 映画の様な巨大スクリーンの左下にFスターが映し出され、右上方からは敵らしき軍勢が押し寄せて来ていた。

 帝はモニターに出現した敵の大軍勢に目をらした。

「え? 敵の数……数万、いや数十万!?」


 鳥山イツキはそれに答えた。

「現在Sランクのレベル81、敵の数は40万。うち、巨大空母1500せきって所です。まあ、見ててくださいな。」


 鳥山イツキが号令を掛けるとFスターから数万を超える数の戦闘機、及び巨大ロボットらしき物体が高速で敵の方へと出撃した。


 彼女の軍勢は圧倒的な火力で敵を殲滅せんめつして行った。

 その光景は正に宇宙戦争そのものであった。


 敵をすべてほうむり去るまで3分程であっただろうか。

 闘いを終えた戦闘メカは何事も無かったかの様にFスターへと帰還きかんした。

「おお、今回は被害機0だったか。ただまあ、ちと時間がかかり過ぎたな。3分14秒……。」


 ゼウスは海野に質問した。

「何、これ……?」


 担任の海野ランはモニターをただ茫然ぼうぜんと眺めながら答えた。

「ええと、何か……ゲームを大いに楽しんでるみたいですね……良かった……。」


 副担任のみかどソヨギはゴクリとのどを鳴らした。

「この巨大建造物、ドアを変化させた時の体験が切っ掛けだったのかもしれませんね……。けどまだ1時間も経ってないと言うのに、これ程までに進化させてしまうなんて……。恐らくこれが鳥山さん、迦楼羅かるら王の能力スキル……!」


 海野は苦笑いした。

迦楼羅かるら王……日に一度、百体の龍と一体の龍王をらうとされる神鳥。龍王に座する私が言うのも何だがな。ま、私の龍王は特殊なんで喰われる事は無いんだが……はあ……。」


 帝は海野を見て微笑んだ。

「ふふ、伝説上の話でしょ。ま、彼女だけじゃないけど個々の能力スキルは普段の彼女たちの能力と密接な関係がありそうね。」


 海野は腕を組んで頷いた。

「それは私たちにも言えるって事か。まあ、私たちの場合は生身の身体が無い分、能力のうりょくの性質は違って来るのかもしれないがな。」


 帝は少し寂しげな眼をした。

「私たちには私たちの役目があるって事よ。いずれにせよ彼女たちの示してくれた力、今後の参考にさせてもらいましょう。」


 海野はゼウスに語りかけた。

「で、ゼウス氏。今後はどうするつもりなんだい?」


 ゼウスは「う~ん」と言って困惑の表情を浮かべた。

「戦闘型の3人は取り敢えずSSSに挑戦してもらうとして、音楽系の3人はどうしよう?」


 海野は苦笑いした。

「私に聞かれても……。それとゼウス氏、SSSがここでの最終ランクですよね。この分じゃあいつらSSS攻略まで然程さほど時間はかからないと思いますよ。かと言って”あそこ”まで進むのは流石にね……。ま、その時までに考えておいてもらえれば。」


 ゼウスは腕を組んであれこれ悩んでいる様だ。

「う~む……むむむむ……。」


 その時、非天レイカと北守カズミからほぼ同時に連絡が入った。

「先程SSランクのレベル100、10万体を終了しました。」

「流石にレベル51辺りからは能力スキル無しだと効率悪くなって来たな。」


 海野は気を取り直して言った。

「よし、今日の所はこれで終わりだ。二人ともこっち戻って来い。今日はスパーリングは無しだぞ!」


 その後、タイムアタック4週目を終えた香々美フジコ、初見で歴代新記録を打ち立てた蛇代ヨウコらが戻って来た。

「楽しかったけどそろそろ眠くなって来た~。」

「おっちゃん、楽しかったよ! 次こそ勝負だね!」

「あ、ああ……。」


 能力スキルを封じながらも最難関ステージでパーフェクトを連発した歌寺ミナモもご満悦の様子だ。

「ま、私にかかったら大した事ないわね。でも、まあまあ楽しませてもらったわ。お礼を言っとく、ありがとう。」


 5人がゼウスたちの元に戻って来たちょうどその時、鳥山イツキから連絡が入った。

「取り敢えずSランク、レベル100の敵2800万体の討伐を完了しました。」


「2800万!?」

 その場にいる全員が驚きのまなこでモニターに映る鳥山イツキを見た。


 一体何が起こっているのか。

 今まで各自のゲームに夢中だった生徒たちはモニターに映るFスターと数々の近代兵器に驚愕きょうがくした。


 北守カズミはモニターに向かって叫んだ。

「うお~い! 何だよそりゃあ!」


 蛇代ヨウコは目を輝かせて喜んだ。

「かっくい~! 巨大ロボットだ! 乗りたい! イツキ、私にも操縦させて!」


 歌寺ミナモはFスターの荘厳そうごんさに思わず身をすくませた。

「あ、あ、あ、あんたねえ、何もそこまでやらなくても……限度ってもんがあんでしょう!」


 鳥山イツキは少し戸惑った様子で質問した。

「ええと、これどうしましょう。このままにしてそっちに引き上げちゃってもいいんですかね?」


 ゼウスは苦笑いした。

「ああ、そのままにしといていいよ。そこは鳥山氏専用の領域だから。」


 非天レイカは思わずニヤけてしまった。

「ふふ、凄いな。これが鳥山の能力スキルか……。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

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