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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
210/624

210 まずは装備から【他世界の話】

 担任の海野ランはハタと思い出した。

「そう言えば鳥山は? 他のやつらに気を取られ過ぎてすっかり忘れていたが……。」


「あ……。」

 副担任のみかどソヨギも今更ながら彼女の事を思い出した様だ。

「ちょっとモニターを切り替えてみましょうか。」


 モニターが鳥山イツキの画面に切り替わった。

 ゼウスはその光景を見て首をひねった。

「あれ、おかしいな。大地がある……これって大地だよね。」


 そこにはどう見ても大地が広がっており多くの建造物が所狭ところせましと並んでいた。

 帝は不思議そうな顔をした。

「ええ、大地ですね……。確か鳥山さんのステージは非天さんたちと同じ宇宙空間だったはず……。」


 ゼウスはモニターをじっと眺めながら現状を確かめている様子だ。

「そう……だよね。ならこれは一体何だろう。」



 30分程前の話。


 鳥山イツキの能力スキルは攻撃型である事以外よく分かっていなかった。

 そこでゼウスは非天レイカたちと同じ内容でBランクのレベル1からスタートさせる事にした。

 但し、敵の数は彼女の力量に合わせてAIが自動的に増減する仕組みだ。


 入口の扉から中に入った鳥山イツキは周囲を見回した。

「成程、さっきと同じ宇宙空間か。あいつらこんな体制でよくあんだけの立ち回りが出来たもんだ。」

 彼女は準備体操がてら身体を動かす練習をした。


 彼女は果ての無い空間と慣れない無重力場に少々気が滅入めいった。

「取り敢えず足場でもこさえるか。」


 そして先日、非天レイカたちがやっていたのを真似まねて小さな足場を作ってみた。

「成程、どうやら重力は発生しないみたいだな。ただの踏み台って事か。」


 彼女がそんな事を考えているとモニターが現れゼウスが言った。

「さて、そんじゃあ始めるよ。」


 彼女は少しギョッとしたが気を取り直して言った。

「ああ、ずは敵一体から頼むよ。Cランクから始めればよかったかな……。」


 モニターが消えてゼウスの声がした。

「無理だと思ったら言ってね。すぐに停止するから。」


「ああ、分かった。どうかお手柔てやわらかに頼んますよ。」

 彼女がそう返事をするや否や前方に大きな甲冑の戦士が現れた。


 体長2メートルはあるだろうか。

 鳥山イツキはその大きく強そうな敵に尻込みした。

「でかいな……。」


 甲冑の戦士は腰から全長1メートル程ある剣をスラっと引き抜いた。

「おいおい、あいつらじゃあるまいしこぶしで戦えってのか?」


 すると彼女の両腕にじりじりっとした感触が伝わった。

「お、これは……!」


 両腕をちらっと目視もくしで確認すると腕全体を覆う金属製の籠手こてが装着されていた。

 右の籠手には長さ20㎝程のビームダガーが、左の籠手には小さなシールドらしきものが取り付けられていた。

「これで戦えってか……。」


 彼女は試しにビームダガーを一振りしてみた。

 するとその剣先はブォーンという振動音を立てながら30メートル程まで伸びたかと思うと相手を真っ二つに切り裂いてしまった。


 彼女はゴクリと喉を鳴らした。

「おいおい、何だよこれ……。」


 ゼウスはどうやら他の生徒の所に行ってしまった様だ。

 彼女は元の長さに戻ったビームダガーをガン見した。

「ま、しばらくはこれで持ちそうだな。」


 次に、先程とは色違いの敵が10体同時に現れたがビームダガーの一振りで消え去ってしまった。

 こんな調子でBランクはすんなりと終了し、いよいよAランクの登場だ。

「なんか、今一いまひとつ戦った気がしないんだが……。」


 Aランク最初の敵はアンドロイドの様な形状をしていた。

「お、かっけぇじゃねえの!」


 鳥山イツキは今まで同様ビームダガーを一振りしてみた。

 しかし、アンドロイドはそれをスルリとかわし、こちらに接近して来た。

「お、流石さすがにAランクだな、おい!」


 敵の右腕からビームサーベルが出現し、彼女に向けて切り込んで来た。

「おっわ! マジかこいつ!」


 鳥山イツキは左腕のシールドを相手の方に向けた。

 だが、そもそも彼女はシールドなど使った事も無かったのだ。

 シールドは見当違いの方向に向けられた。


「うわ、切られる!?」

 だがその刹那せつな、シールドから強力な光が発せられたかと思うと敵は文字通り粉々になってしまった。


 彼女は怪訝けげんな顔をした。

「何だ、今のは? よう分らん……。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

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