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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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207 話題の無理ゲー【他世界の話】

 蛇代ヨウコがツタに覆われた古城に入って行くと、中はやたらと広い闘技場の様な部屋になっていた。

 部屋の中央には四体の巨大な顔玉がぷかぷかと浮ていた。

「お、ボスキャラか?」

 色は先程の四属性と同じらしくそれぞれ赤、青、緑、茶色であった。


 蛇代ヨウコは興味深にその四体を眺めていた。

 するといきなりそのボスキャラとおぼしき巨大な顔玉が彼女に話しかけて来た。

「よく来たな、勇者よ。だが、お前もここでおしまいだ。」


 蛇代ヨウコは満面の笑顔で喜んだ。

「おお、しゃべりおった! てか私、勇者設定だったんだ……おもしろ!」

「我ら四天王が一角、顔玉四人衆かおだまよにんしゅうを見事打ち滅ぼしてみよ!」


「いやいや四天王の一角が四人て、てかにんなの? ひとなの? てか『ここでおしまい』からの『見事打ち滅ぼしてみよ』って『おしまい確定』からの『実力があれば倒せるかもね』みたいな感じで微妙につながらない気が……てか、顔玉で良かったんだ、名まえ! う~もう突っ込みどころ満載だよ!」


 蛇代ヨウコが他にも突っ込むべきか悩んでいると顔玉四人衆は今まで同様容赦ようしゃ無く襲い掛かって来た。

「うわ! もうちょい突っ込ませて!」


 ボスキャラの顔玉四人衆は口からポンポンと先程の小さい顔玉を吐き出した。

 しかも巨大なのに意外と速い。


 彼女はその攻撃をかわしながら先ずは赤い火のボスを倒した。

 ボスは消えずに下に落下したままだ。

「成程、これは後で復活するパターンかな?」


 他の3体のボスを倒すと案の定4体のボスの身体が浮き上がり一つに合体した。

「よくもやってくれたな! 貴様は我を怒らせた!」


 蛇代ヨウコは残った雑魚ざこキャラを倒しながらそちらを見た。

「いいねいいね、その台詞せりふ! ボスキャラはそうでなくちゃ!」


 合体したボスキャラの表面は赤、青、緑、茶色がマーブル状になってうごめいていた。


 蛇代ヨウコは取りえず水のシールドで赤い部分を攻撃してみた。

 しかしその場所に攻撃が当たる瞬間別の色が移動して来た。

「成程、そんじゃあスピード上げてみよっかな。10連撃よ!」


 ガガ、ガガガガガ、ガガガーン!

 高速の刃でボスキャラを攻撃してみたがどんなにスピードを上げても赤い部分は移動してしまう。

 しかもボスキャラの口から排出される顔玉たちも同じ様なマーブルだ。

「へえ、そうゆう事か。」


 蛇代ヨウコは刀身を一度収めて集中した。

「さあ、これで終わりよ!」

 彼女のシールドは強烈な光を放ち激しく振動した。


 そして次の瞬間、居合切りの一撃でボスキャラは消滅した。

「よっしゃあ!」


 いくら高速で連撃しても赤い部分がこちらの攻撃をけるいとまを与えてしまう。

 しかし4種のシールドを超高速で入れ替えれば敵に当たった瞬間その部位の弱点属性がヒットする。

 蛇代ヨウコはその恐るべき瞬発力で弱点属性がヒットした瞬間、その属性を維持しながら相手を切断したのだった。


 蛇代ヨウコが次の休憩所で新しいアイテム『爆弾』の使い方を確認しているとゼウスから連絡が入った。

「あれ、まさか……クリアしちゃったの? ウソでしょ? しかも初見しょけんて……。」


 蛇代ヨウコは自慢した。

「へっへ~! 凄いでしょう!」


 ゼウスはあきれ返った。

「あれ、一端いっぱしの戦士でさえ相当な時間を要するんですけど……。『魔のステージ4』って当時話題になってたやつなんですけど……。」


 蛇代ヨウコはニコニコ顔で答えた。

「へえ、そうなんだ。でもほら、私ここに来たのも2回目だし、きっと慣れたんだよ!」


 ゼウスは混乱していた。

「2回目……だよね。え、何? 今一体何が起きてるの? ぼ、僕分からない……分からないよおぉぉ!!」


 担任の海野ランも初めの内は彼女の実力に驚いていたが、ゼウスのあまりの狼狽ろうばいぶりを見て脳天チョップと言う形で突っ込みを入れた。


 ガッツーーン!!

「ゼウス氏、気付かれましたか?」


 激しいショックと共にゼウスは我に返った。

「あ、ここは……私は一体何を……。」


 海野は真っぐゼウスに目をりながら無表情で言った。

「どうやら蛇代ヨウコの常人じょうじん離れした実力にパニクっていた様です。」


 ゼウスは海野の方を見た。

「おお、そう言う事か。ではこの頭痛は何だろう? 頭の中心部がズキズキするんだけど……。」


 海野は痛そうに頭をさするゼウスに冷たい視線を向けた。

「さあ、恐らく先程混乱されていたのでその影響かと……。」


 みかどソヨギはその馬鹿馬鹿しい光景をジトっとした目で見ていた。

「ゼウスさん、そんな事よりほら、蛇代さんが……。」

「あ、そうだったそうだった。御免ね、お嬢ちゃん。何かおっちゃんびっくりしちゃって……。」


 蛇代ヨウコは笑顔を向けた。

「大丈夫大丈夫、現実世界でもみんな驚いちゃってそんな感じになるから!」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

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