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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
206/624

206 弱点属性【他世界の話】

 蛇代ヨウコは『ジャンプブーツ』でピョ~ン、ピョ~ンと飛びねながら邪魔する敵を避け、るいはやっつけながらウキウキ気分で進行していた。


 敵と言ってもぬいぐるみの様なキャラばかり。

 目的の場所までたどり着けばそのステージをクリア出来る。


「はあ、はあ。よっしゃ~! ステージ3クリア!」

 ここまではパンチとキックだけですんなりクリア出来た。


 他にも頭突きや投げ技、ビームサーベル、レーザー銃等、使用できる武器は多々あった。

 また、火、水、氷、風、物理のシールドが初期装備として用意されていた。


 これらのシールドの属性は攻撃にも付与される。

 火のシールドをまとえば武器にも火属性が付与されるといった具合だ。


 これらの武器や装備は使うのにそれぞれ条件が異なるのでうまく使い分けなければならなかった。

 例えば属性シールドなら30秒以内に使用を中止するか他属性に切り替えないと1分間使用出来なくなる。


 ステージが終了すると次のステージを始めるまで休憩ルームで休む事が出来た。

 このインターバルの時間は自由に決められる。


 蛇代ヨウコが簡易モニターで新たに手に入れた技「カウンター」の説明を読んでいるとゼウスから連絡が入った。

「え? もうステージ3終わったの……ウソでしょ?」

「楽勝!」

「うむむむ……。ほ、ほんじゃあ次はステージ4! こっからはシビアな敵や強力なボスキャラも登場するよ~ん!」


 蛇代ヨウコは喜んだ。

「イエッス! ドンと来ちゃって!」


 ステージ4のスタート地点は砂漠であった。

 砂の上に踏み込んでみると今まで3メートル程び上がれていたのが、いきなり1メートルくらいしか跳べなくなってしまった。


「成程、砂漠の効果ってやつね。しかも少し……かなり暑い!」

 蛇代ヨウコが暑さに顔をしかめていると砂の中からサソリみたいな敵キャラが大量に出現した。

 サソリは彼女に向けて毒液を射出すると直ぐに地中へ潜ってしまう。


 蛇代ヨウコは楽しそうにその毒液をけた。

「わ、速い! こいつら今の内にやっつけとかないと何処どこまでも追いかけて来るやつだな。」


 彼女はレーザー銃を取り出した。

 この武器の欠点はエネルギーが切れるとカートリッジを交換しなければならず、その間にすきが出来てしまう事だ。

 ただしカートリッジは何度でも交換可能。


 彼女は前後左右にんで毒液をけながらレーザー銃でサソリを倒して行った。

「ナイスエイミングだぜ!」


 サソリは仕留められると砂の上に跳び上がり仰向あおむけになって転がるので分かりやすかった。


 100匹ほど倒し、更に進んで行くとマップは砂漠から平原へと変化した。

 跳ぶ高さはまた元の3メートルに戻った。


「ひゃほ~い!」

 蛇代ヨウコはまたもピョ~ンピョ~ンと飛び跳ねながら景色と風を楽しんだ。


 いままで暑かった分、身体に受ける風が心地良い。

「いいね! にしてもコントローラーでやってる時と大分感覚が違うな。まあ、もう慣れたけど……ん? そろそろ来るか!」


 向こうの方から3つの火の玉が近づいて来た。

 3つの火の玉には顔らしきものが付いており、彼女に接近すると口から小さな火球を吐きながら縦横無尽に動き出した。


 レーザー銃で何度か撃ってみたが効果は無い様だ。

 火の玉の動きはそれ程速くはないが近くに寄るとかなり熱い。

「こりゃ直接攻撃すると火傷やけどしそうだね。なれば……。」


 蛇代ヨウコは『水のシールド』を張った。

「これでどうよ!」


 身体の周辺には水の膜の様なものが張りめぐらされた。

「あれ? これ結構涼しいじゃん! 砂漠でもまとっときゃ良かったにゃ~。」


 蛇代ヨウコは足を思い切り踏み込んで敵目掛けて突進した。

「ウオーターパーンチ!」

 火の玉はジュッと音を立てて消え去った。


「ウオーターキーック!」

 3つの火の玉を消し去りその先へ進むと今度は10体ほどの火の玉が現れた。


 だが攻略法を見抜いてしまった彼女は無敵だった。

「顔玉め~! ひぃ~やっふ~! っしゃ~!」

 変な気合いを入れながらあっと言う間に全ての火の玉を蹴散けちらしてしまった。


 次に襲って来たのは四色の顔玉たちだ。

 赤は火(さっきのやつ)、水色は氷、緑は風、茶色は物理。

 全部で100体程はいるだろうか。


 火は火傷、氷は凍傷、風は切傷、物理は打撲傷と、触れるだけでダメージを受けてしまう仕様らしい。

「こいつはシールドを小忠実こまめに切り替えなきゃダメなヤツか……。」


 戦闘中の装備切り替え方法はゲームによって様々だが今回の場合は念じるだけで切り替えられる為、蛇代ヨウコにとってはやりやすかった。

「まずは様子見ようすみ!」


 蛇代ヨウコは水のシールドをまとって火の玉を攻撃しようした。

 だが、火の玉は後ろに下がってしまい他の顔玉が前面に出ながら反撃して来た。

「ほう、やるじゃないの!」


 どうやら赤(火)には水、水色(氷)には火、緑(風)は逆風で相殺そうさい、茶色(物理)は氷に弱いらしい。

「この分析能力ぶんせきスキル、自動発動してくれるんだ。すごい! 偉い!」


 四色の顔玉は一人ご満悦まんえつな蛇代ヨウコを容赦ようしゃなく攻撃して来た。

「うわわ、容赦ねえな! そんじゃあ、これでどうよ!」


 彼女は攻撃をひらりひらりとかわしながらビームサーベルを取り出して顔玉集団の中に突っ込んで行った。


 ところで、たまに彼女の口が乱暴になるのは周りのプロゲーマー野郎どもの話言葉がうつってしまったからだ。

 そしてそんなプロゲーマーたちは彼女に「ブタ野郎!」等と呼ばれていた。


 一斉いっせいに襲い来る顔玉。

 だが蛇代ヨウコはこの程度の敵などモノともしなかった。


 逃げるすきを与えないほどの速さでシールドを切り替えながら次々と敵をサーベルの餌食えじきにして行った。

「火、水、風、水、火、氷!」


 普通素人しろうとが無理に刃物を振るおうとすれば自分の足を切ってしまったりと上手く行かない所だ。

 だが、彼女は刀型コントローラーを使ったチャンバラゲーム大会で優勝していた事もあり、以外と慣れていたのだ。

 勿論、現実リアルではないと言う安心感も大きかったのだが。


 顔玉は攻撃の前に音を立てながら息を吸うモーションがあるのでけ易かった。

「うん、今の所ノーダメ! それにさ、こんなふうに相手が大量に出て来るってのは倒せば倒す程戦闘が楽になるって事! ほら、後8体! 行っくよ~!」


 顔玉をすべて倒してからしばらく前に進むと大きな建造物が見えて来た。

「ん? お城かな……でかい。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

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