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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
18/624

18 さぁ、盛り上がろうぜ!

 カラオケルームには歌用の大きなモニターとは別に、通信用の小さなモニターがある。

 私はその小さなモニターを通して、みんなとコミュニケーションを取ることができる様になっている。


 カラオケにはサナとサユリの他、サナの友だちのユキナ、ミナ、マナミ、ヨナが来ていた。そして、保護者としてユキナの母と兄のサダオも参加していた。


 みんながカラオケルームに入り、落ち着いたところでサナは言った。

「それじゃあ、フィナと繋げるよ。えっと、これ押せばいいのかな。」

 サナがリモコンの『外部送受信』にタッチするとモニタに私が映し出された。


「皆さん、こんにちは!」

 私が挨拶すると、みんなが振り返った。


 ミナは隣りのマナミと話し込んでいた様だが、いきなりサナの方を見て叫んだ。

「え? 今の……誰がしゃべったの!?」


 サナは笑った。

「フィナだよ。フィナがしゃべったの。」


 サユリはみんなに疑念を持たせない様、進行をかした。

「ほらミナ、時間ないからどんどん歌おう。」


 ミナはうなずいた。

「うん。じゃあ最初はパラキューレの『ドキドキSP』からでいいかな。」

 ミナは早速『演奏スタート』にタッチした。


 初めはみんな私のことを不思議がっていたが、歌が始まるとノリノリで騒ぎ始めた。

「すごい!」

「うま~い!」

 みんな大絶賛だ。


 ユキナの母も驚いていた。

「最近のボーカロイドってすごいのね~。」


 その言葉に反応してユキナの兄サダオは小さい声で言った。

「いや、これは……。」

 どうやら私が普通とかけ離れている事に気付いてはいるが、言葉にできない様であった。


 結局3時間ほど大盛り上がりで楽しんだ。

 帰る間際も子どもたちは興奮冷めやらぬ様子だった。


 普段あまり話さないらしいヨナも声がかれるほど歌ってくれた。

「フィナ、今日はありがとう! うちのアテナにも会って欲しいな。」


「うん、今度是非会わせて! 楽しみにしてるよ!」

 ヨナは満足気な笑みを浮かべた。


 一番はしゃいでいたミナはモニターに顔を近づけて私に小さく手を振った。

「また、絶対やろうね!」


 私はどこかで聞いたことのあるアイドル口調で返事した。

「ほいさ! 待ってるぞ!」


 マナミも名残惜なごりおしそうに言った。

「フィナ、また会おうね! 約束だよ!」


 私はにこやかに手を振った。

「うん、また是非。今日はありがとうね!」


 何とかみんなを満足させることができた様だ。

 まあ、色々あったけど良しとしますか。

 アイドルとしてこれからも頑張ろうぞ!

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