15 イベント結果発表!
あぁ、遂に今日7月10日(日)。イベントの結果発表の日となりました。
サナは朝もはよから元気です。
「フィナ、クラス上がるよね。」
まだ眠気眼のサユリがそれに答える。
「まぁ、上がらないわけはないでしょ。ムニャ。」
「Yになるの?」
「う~ん。少なくともYにはなるでしょうね。」
姉は言葉を続けた。
「一度に3つクラスが上がる事もあるんだってさ。」
サナははしゃぎながら言った。
「じゃあAだ。フィナAクラスだ!」
私はそれを聞いて一人冷静に考える。
あれ、これってもしかしてフラグ立ってね? クラス上がってません的な……。
発表は午前9時から10時の間にメールで送付されるとのこと。
「あ、メール来た。」
メールはほとんど9時きっかりに送付されて来た。
私の面前の端末にも、メールの内容が表示された。
【イベントの結果発表】
この度は『第4回 初心者のど自慢大会』にご参加いただき、誠にありがとうございました。
さて、今回のイベントにおきましてフィナ・エスカ様は大変優秀な成績を納めました。 よってその功績を称え【Sクラス】への昇格が決定いたしましたのでお伝えします。
今後の益々のご活躍を心より祈っております。
新しいクラス;【Sクラス】
下のアイコンから弊社のホームページへ移行し、クラスの昇格を完了してください。
サナは元気いっぱい叫んだ。
「Sクラスだって! えっとぉ、ABCD……」
どうやらクラスがいくつ上がったのかを数えている様だ。
サユリは……怪訝な顔をしてスマホを操作している。
「…………。」
どったの?
サナは数え終わったようだ。
「7つ! すごい。7つも上がっちゃった。」
はしゃいでるサナにサユリは言った。
「う~ん。良かったね。サナ。」明らかに作られた笑顔。
「7つだよ。すごいね。」
「これで安心。さあ、下で朝ごはん食べなさい。」
「うん、わかった。」
サナはすっかりご機嫌で、姉の言う事にも素直に従った。
サナが下へ行くとサユリもドアから出た。
そしてすぐに自分の部屋からホットラインを通じて私に連絡して来た。
私は先の挙動の理由を聞いてみた。
「何かありましたか?」
「ええ、ちょっと気になる事があって。」
「さっきスマホで何か調べてたね。」
「うん。実は前にSクラスの噂を聞いたことがあってね。」
「Sクラスの噂……?」
「Sクラスが欠番だって噂。で、調べてみたらいくつかあって。」
「欠番て……。」何かに付けていちいちケチが付くね。私。
「みんなTクラスからの昇格の時に、いきなりRやQのクラスに飛んでるの。」
「この辺はプロを目指せるレベルになれるかどうかの、言わば登竜門的な位置だから昇格もかなり難しいはずなのに……。」
結局『欠番』についてはよくわからなかったので、後ほどという事になった。




