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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
132/624

132 来週の水曜日……

 蟹江さんは「あ、そうだ!」と言いながら私に言った。

「フィナ、ナミエさんの名前なんだけど今度から吉田奈美恵さんに変更になったから。思い出して良かったわ。」


 え!? 突然の告知! 私は蟹江さんに理由を聞いた。

「そうなんですか。何でまた急に?」


 蟹江さんは笑顔で言った。

「まあこんな事は異例なんだけどね。彼女今度AIポリスの中枢に組み込まれたんで。」


 私はナミエさんの現状について聞いた。

「ナミエさん大丈夫なんですかね。」


 蟹江さんは微笑みながら教えてくれた。

「あ、もう復旧は終わってるみたいよ。ただ今後の対策強化で忙しいみたい。斎藤さんもそっちの方手伝ってるみたいだし。そうそう、フィナにくれぐれもよろしく言っておいて下さいって。」


 ああ、斎藤さんも大変そうだな。

「わかりました。『私は大丈夫なんで頑張って下さい』って伝えておいて下さい。」


 蟹江さんは私の方を見て言った。

「ええ、伝えとく。えっと、忘れない様に……メモ、メモ……。」


 蛯名さんがスマホを操作しようとしている蟹江さんに言った。

「今、私のスマホからフィナさんの伝言を伝えておきますよ。」


 蟹江さんは笑顔で言った。

「あ、助かる。私何かこうゆう大事な事すぐ忘れちゃうんで。」


 小橋社長は頷きながら言った。

「私もメモなしじゃ生きていけない。もっともメモがある事自体を忘れちゃうんだけどね。」


 その時黒木さんのスマホに着信があった。

「社長、栗原さんたちが明日の事で相談があると。」


 小橋社長は黒木さんに言った。

「あ、じゃあぐにそっち行くって伝えてくれる?」


 蟹江さんは小橋社長に言った。

「行ってらっしゃい。」


 小橋社長は蟹江さんに一言ひとこと告げて出て行った。

「私たちの事待たなくていいから。そっちはそっちで自由に移動して。」


 小橋社長と黒木さんが出て行くと蟹江さんはサユリに言った。

「この前ほら、ご両親に連絡したじゃない。」


 サユリは昨日連絡した際、蟹江さんから本田夫妻と話した内容を簡単に伝えられていた。

 サユリは蟹江さんの話しに応答した。

「ええ、何か心配ですよね。緑と赤のグレイマン。」


 蟹江さんは話しを続けた。

「でね、今度の水曜日にまた連絡するんだけど……。そん時緑と赤が参加してくるみたいなの。」


 サユリは頷きながら言った。

「ええ、聞きました。私も参加した方がいいですかね?」


 蟹江さんはサユリの方をじっと見て言った。

「私もそれ聞こうと思ってたんだけど……。サユリさんは参加したい?」


 サユリはきっぱりと言った。

「ええ、緑と赤の事もっと知りたいし……。コンピューターの中の事なんで今一つイメージがきにくいんですよね。緑の声を聴いて実際会話してみれば少しは相手の事が分かるかもしれません。フィナの事も心配だし……。」


 おお、私をそんなにも心配してくれるなんて……。

 だが私は少しサユリの事が心配になった。

「サユリさんの気持ちは正直嬉しいです。でも、あいつら心の中まで読んで来るし、まだどんな隠し玉持ってるか分かったもんじゃありませんからね……。」


 蟹江さんも私の意見に同意した。

「そうなのよ。私もそれが心配でね。」


 蛯名さんも心配そうだ。

「そうです。何て言っても未知の部分が大き過ぎますし……。」


 サユリは頷きながら言った。

「わかりました。私もちょっと考えてみます。」


 その時、部屋の扉が開いて研究開発部の卯月うづきさんと白鳥さんが入って来た。

 卯月さんが蟹江さんに聞いて来た。

「ごめんなさい蟹江さん。お昼代立て替えていただきまして。いくらでしたか?」


 先程この4人は一緒に食事をしていたのだが、卯月さんは急用ができて先に用事を済ませに行ってしまった。

 で、昼食代をおいて行くのを忘れてしまい、蟹江さんが卯月さんの分の支払いを済ませておいてくれたというわけだ。


 蟹江さんは卯月さんに気を使わない様に言った。

「別にそんな急がなくてもいいのに。」


 卯月さんは食事代を聞くとスマホで送金した。

「蟹江さん、今送金したので確認してください。ホント助かりました。」


 蛯名さんは蟹江さんに言った。

「お金の事は流石さすがに忘れてませんでしたね。」


 蟹江さんは笑いながら言った。

「流石にね。一応主婦だしお金の事を忘れちゃう様ならいよいよもってヤバイでしょう。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【サナの友だち】

 山梨ユキナ … サナの友だち。9歳。優しい。母は料理上手。兄にサダオがいる

 栗木ミナ … サナの友だち。9歳。元気。

 桃園マナミ … サナの友だち。9歳。おしゃれ。

 柿月ヨナ … サナの友だち。9歳。物静か。兄のユタカはアテナのマネージャー


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【株式会社ツイストーラス】フィナとファランクスが所属する芸能事務所

 小橋レイナ … 社長、代表取締役

 黒木ナナ … 副社長。1児の母

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