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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
110/624

110 企業ブースはこんな感じ

 夏フェスを明日に控え国際展示場では着々と準備が進んでいた。

 株式会社3Dボーカロイドの波岡ギンペイは同じ営業部に所属する炭田ヒサエと一緒に物販会場の準備状況を確認していた。


 今回の夏フェスは第1~3ホールがメイン会場、第9~11ホールが第2会場、第7、8ホールが第3会場として設定されていた。

 そして、第4,第5ホールは同人誌即売及びコスプレ会場、第6ホールが企業ブースとして準備が進められていた。


 ちなみに昨年はイベントホールがメイン会場で、他は第9ホールを第2会場、第10ホールを第3会場、第11ホールを企業ブース及び同人誌即売会会場としていた。

 しかし、色々と課題が出たこともあり今年はその反省点をいかした形で会場を割り振った。


 昼食を済ませた波岡と炭田はゆっくりと歩きながらビックリするほど綺麗に整備された店舗を眺めていた。

「ほう、これは凄いな。たったの一日か二日でこんな素晴らしいブースを組み立ててしまうとは……。」


 炭田は驚く波岡に共感した。

「ホントにねえ。ほら、あれなんか凄い綺麗にできてる。去年もこんなんでしたっけ?」


 波岡はその質問に答えた。

「まあ、前回とは出店数が違うからね。それに去年はボカロのグッズそのものがそれ程なかったんじゃないかな。CDやDVDもあまり出てなかったし。」


 炭田は納得した。

「ああ、そうだわ。そうよねぇ。」


 波岡は更に付け加えた。

塩谷しおたに君も言ってたけど、みんなこうゆうブース出展もコミケとかでれちゃってるんだって。」


 塩谷リュウイチは波岡や炭田と同じ営業部に所属していた。

 彼は学生時代同人誌サークルで活動しており毎回必ずと言っていいほどコミケにも参加していた。

 なのでその辺の事情には多少詳しいし、そっち関係の知人も多いのだ。


 炭田は魅力的な色とりどりの企業ブースに見惚みとれてしまった。

「そうよね。だってほら、今事いまことあるごとにこうゆうのあるでしょう。」


 波岡はニコニコしながら答えた。

「ああ、展示会とかですよね。新作製品の発表会とかゲームショウとか……。」


 炭田は何度かうなずいた。

「そうそう、そうゆうやつ。」


 波岡は「はっはっは」と笑いながら教えた。

「こうゆうのを専門でやってる業者に頼んでるって言ってましたよ。塩谷君が。」


 炭田は感心した。

「へえ、何でも仕事にしちゃうのね。」


 波岡は奥の方で作業をしている人影を見ながら手を挙げた。

「お……! ああ、聞こえないか……。」


 炭田もそちらの方を見た。

「誰かいるんですか?」


 二人はそちらの方に近づいて行った。

 そのブースは株式会社ツイストーラスのものであった。

 ツイストーラスはフィナやファランクスが所属する芸能事務所である。


 そこには専務の須賀ユウタと営業担当の佐山クロウ、大村マツリ、それとイベント担当の栗原ユウヒが作業をしている姿があった。

 栗原は二人に気付くと挨拶した。

「あら、お久しぶりです。」


 続いて須賀、佐山、大村もお辞儀をした。

 波岡と炭田は笑顔で挨拶した。

「お疲れ様。何かおしゃれな感じのブースですね。」


 栗原は自慢げに言った。

「これうちの大村がデザインしたのよ。」


 大村は少し恥ずかしそうに栗原を見た。

「ちょっともう、言わなくていいですから。」


 波岡は笑いながらめた。

「はっはっは。いいじゃないですか。素晴らしい出来栄えですよ。他の業者さんが作った物より綺麗で目立ってます。」


 炭田も称賛しょうさんした。

「ええ、センスがいいわ。とっても!」


 大村は大分だいぶ年上の二人にめられて恐縮きょうしゅくした。

「ありがとうございます。」


 炭田は「うふふ。」と笑いながら付け加えた。

「やっぱり綺麗な人が作ると作ったもんも綺麗になるのかしらね。」


 大村はニヤケながら炭田を指先で軽く押した。

「もう、ちょっとやめてくださいよ。私すぐ調子に乗っちゃうんだから。」


 佐山は大きな声で笑った。

「あっはっは。言えてますね。ホントすぐ調子に乗る。」


 大村は佐山をにらんだ。

「あんたは声が大きいのよ!」


 波岡は笑いながらそれを見ていた栗原に質問をした。

「もうだいたい終わったんですか? その準備とか。」


 栗原は笑顔で答えた。

「ええ、お陰様で。イベント会社の人たちが凄い速さでささっとやってくれまして。後はこの辺少し片付けたら終わりです。」


 波岡は皆に感謝した。

「そうですか。うちの鯛島たいじまからも聞いておりますが、何か色々ご助力いただいたみたいで本当にありがとうございました。」


 栗原は首を横に振りながら言った。

「いえいえ、好きでやらせてもらってる事ですから。それにほら、ファランクスをあそこまで成長……ってゆうかパワーアップ! させていただいたものですから。せめてね。これ位はさせていただかないと。」

 他の三人は大きくうなずき栗原の話しに同意した。


 炭田は栗原の腕に軽く触れながら言った。

「そんなに気をつかわなくてもいいのに。」


 波岡も炭田に賛同した。

「そうそう。ホント無理しないでよみんなも。当日バタンキューなんてことになったら大変なんだから。」


 3人は「え?」とゆう表情で首をかしげた。

 須賀と炭田は苦笑にがわらいしていた。


 波岡が「なんか俺変な事言った?」という顔をして炭田の方を向くと炭田は「やれやれ」といった感じで答えた。

「波岡さん。今の若い人たちはバタンキューなんて言葉使わないのよ。」

 須賀はクスリと笑った。


 波岡は「あちゃ~。」と言いながら後頭部をさすった。

「そうかあ。使わないかあ。あっはっは。」


 大村は少し申し訳なさそうに佐山に聞いた。

「わかる?」


 佐山も腕を組みながら考えあぐねていた。

「いや、わかりません。何でしょうかね?」


 栗原は喜び勇んで言った。

「あ、私も若い方の仲間! 私も知らないもん。」


 須賀は疑うような目で栗原を見た。

「本当に~? 本当は知ってんじゃないの?」


 栗原はニヤケながら須賀をからかった。

「あ~あ。うちの会社で須賀さんだけ仲間はずれ。かわいそ~。」

※お知らせ

 次の事について改善しました。

  ① 『…』を『……』にしました。

  ② 『!』や『?』の後に文章が続く場合スペースを挿入しました。

  ③ 括弧のない文章の前にスペースを挿入しました。


  読んでいただきありがとうございます。

  上の改善で少しでも読みやすくなればと思います。

  以前投稿した分も順次修正して参ります。

 →また、7月は多忙の為投稿が滞る予定です。

  ご迷惑おかけいたしますが何卒ご了承ください。



【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 ナミエ … 正式名称C73EHT-R。AIポリスの特殊捜査隊隊長。

      新米ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 卯月カナメ … 第2研究開発部主任。

 白鳥マイ … 第3研究開発部主任。天才。息子1人

 熊谷トシロウ … 第4研究開発部主任。妻死去。息子1人娘1人。酒好き

 午藤コウジ … 第5研究開発部主任。柔道4段。妻、息子1人

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子

 未木タツヤ … 第7研究開発部主任。バンドVo.、ビリヤード

 龍崎アヤネ … 第8研究開発部主任。文句大好き。彼氏あり

<本部>

金本センタロウ … 社長。ボカロ協会会長。空知モモエの幼馴染

 波岡ギンペイ … 営業部部長

  営業部社員 … 炭田ヒサエ、塩谷しおたにリュウイチ、海原セレン

 銅崎ササエ … 人事部部長

  人事部社員 … 白木ジン、水谷テナ

 鯛島テツコ … 経理部部長。研究開発部担当

  経理部社員 … 浪江なみえリョウ、加硫かりゅうナツエ


【株式会社ツイストーラス】フィナとファランクスが所属する芸能事務所

 小橋レイナ … 社長、代表取締役

 黒木ナナ … 副社長。1児の母

 須賀ユウタ … 専務。2児の父。車とバイク好き

 佐山クロウ … 営業担当。体格がいい

 大村マツリ … 営業担当。ナイスバディ。おしゃれ

 下尾ライト … 制作担当。プラモデルが好き

 竹ヒマリ … 制作担当。絵やイラストがうまい

 栗原ユウヒ … イベント担当。妹と同居。バツ1

 小宮山ネイネ … キャスティング担当。投資家

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