表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
11/624

11 空(ソラ)の上に死(シ)。怖いよ

 結局しょうもない会話で終始してしまった。

 お、何やら通信が入ったようだが。これどうやるんだろ。

 モニターの右上には「着信中」の文字が映し出され、中央にはマイクを円で囲んだようなアイコンが表示されている。更にアイコンの下には親切にも「タッチ」と書かれている。


 素直にアイコンをタッチすると、モニターにサユリが映り込んだ。

「あ、うまく行った。」

「何か部屋の様子がいつもと違うみたい?」

「そう! ここ私の部屋。」


「パソコンを移動したの?」

「ううん。私の部屋のパソコンと直接繋げたの。ホットラインてやつ。」


「あぁ、これで気兼きがねなく私と連絡取れるってわけですね。」

「うん。あの子に聞かれたらまずいこともあるしね。」

 なるほど。さすがお姉様! やることが先手先手。


「ところで、さっきの話なんだけど。」

「あぁ、友だちに知られると周りにばれますね。どうしましょう。」

「そうね……。ただ、これ見てくれる。」


 するとモニター画面に枠が表れメールの文章らしきものが表示された。

「ん、どれどれ……。」

 内容を読むと、そこにはとんでもない内容が書かれていた。


 どうやら、私の『ドレミ……』を聞いただけで実力を見抜かれてしまったらしい。

『フィナ・エスカは本当にクラスZなのか。と言うかボカロなのか』

『音声はまるで人間の吹き替えの様である。しかし、チートは不可能に近い。一体何なのだ。まるで夢でも見ているようだ』

『何度も何度も聞き直したが、これはボカロの限度を既に超越している』等など。


 メールは10通程来ており、内容は私の『ドレミ……』を絶賛したり疑問視してるものばかりだった。

 ちなみにメールと言ってもボカロオーナー専用のフォームなので身バレはしない。


 喜んでいいのか? なんせ競い合ってる相手はAIだからなぁ。

 で、メールの締めくくりは決まって『フィナ・エスカと是非会わせて下さい』というものだった。


「あれ、何か大変な事になってます?」

「そうだね。」サユリは考え込むように言った。

迂闊うかつだったわ。たかが『ドレミ……』とあなどってしまった。」


「ご両親に相談するとか……。」

「そうなんだけど……ちょっと無理かな。」

「ご不在?」

「今、2人とも宇宙ステーションに行ってる。」


 えーーーっっ! ここに来て衝撃の事実! ただのお家ではないと思ってたけど……。

「そ、そうですか……。」

「次に帰還するのはいつになるかわからないし……。」

 かっこいい……『帰還』だって。


「他に頼れそうな人は居ないんですか。クラスPの先輩とか。」

「いっやぁ重すぎるでしょ。だけど……うん。あの人に聞いてみよう。」



「あの人」というのはサナとサユリの叔父おじで、2人の父の弟に当たる人物だった。

 何を隠そう2人にこのソフトを贈ったのはこの叔父さんであった。


 サユリの話しからすると、どうやらすぐに連絡が取れた様であった。

 しかし、叔父さんも通常のショップで購入したらしく、この状況に全く心当たりがないらしい。

 当然の事ながら話を聞くだけではどうにも信じられない様で、取りえず次の日曜日に見に来るとのことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ