更に疲れる第七話?
聖達はあの後、特に語るべき事もなくペクウニア達と無事に合流する事が出来た。
その後は流れる様に事が上手くはこび、聖達は王都から脱出し魔王軍が占領している街まで移動した。
助け出した王女様はと言うと、見た目よりも随分と心身共に健康な様だった。
そして今、聖はペクウニア達に個室に連れられ、そこでソファーに腰をかけたところだった。
「聖殿、今回の件重ねて感謝する。」
そう言うと、ペクウニア含めアルジェンティと2人と並んで立っている男から深く頭を下げられた。
「僕はやれと言われた仕事をしただけです。それよりも他の話がありますよね?」
「ああ、お待ちかねよ様だしそちらに話を移させてもらう。その前にまず彼を紹介しよう、彼が君が代打を勤めたブラックワーカーの一員 クーペロッムだ。」
そう紹介を受けた男は軽く会釈した。
「そして、今度こそ本題だが、アトラスから何を聞いた?」
ペクウニアがそう言うと場が張り詰めた雰囲気になった。
しかし、聖はアトラスの圧をつけたからかこれと言う感情は出てこなかった。
「序列と国が裏でやっている事を、」
聖が続きを話そうとした時、ペクウニアがそれを遮るように言葉を飛ばした。
「それだけか?」
「それだけです。」
「分かった」
そう言うとペクウニアはアルジェンティに何かハンドサインを出し、アルジェンティは一礼して部屋を出た。
「よし、これから少し長くなるがザックリ今起きている正確な事を話そう。まずはどこから話すべきか、
そうだな、まずは神々の話から入るのがいいか、この世界にで力を持つ神は主に創造主、3大神と人神4柱かな?。創造主は分かると思うから飛ばして、3大神の説明からだけど、まず1人目は3大神のトップ、形としてある物の神 ティラータ」
「形としてある物の神?」
聖は初っ端から理解が追いつかず聞き返しながら、この話は長くなりそうだと考えた。
やっと、話が終わった〜。
聖はこの世界の今起こっている事をアルジェンティから聞いた。
まず、この世界だけでなく多くの世界で今大きな戦いが起こっている事。
この戦いは、全ての世界を束ねる神とその側近から始まる。
全ての世界を束ねる神は一度全ての世界を消し去ろうと考えた。
しかし、全てを消し去るとそこにしか繋がりを持たない神や、その神達と繋がりを持つ神、要するに全ての世界を束ねる神、以後全神以外の神も全て消えてしまう。
まず、全神とそれ以外の神々との戦争が始まった。
これにより世界の9割以上が無くなった。
残った世界の神々は第二の全神なる神を決めようとするが、他の神々は皆、既に何かを束ねていた。
何かを束ねている神が全てを束ねるとそこで均衡が崩れて、第二の全神の束ねるものが絶対な力を持つことになる。
それを避ける為に、文明を持つ生物が生み出した共和政を取り入れようと言う事になろうとしたが、勿論、反発する神も出てくる。
こうして、一部の世界で二つの派閥による戦いが始まったが、この世界は初めは戦いに参加していなかった。。
ヒューマンの神(人神4柱の1柱)はティラータ以外の3大神、動くものの神 ファルド、と動かぬもの神 バーテルと共に全神統治派に、創造主やティラータ、他の人神は共和政派に所属した。
人神達より力を持たない神々は大体均等に分かれた。
創造主がいる時は、全神統治派はこれといって行動を取らずに、これまで通りというスタンスでいたが、創造主が戦いに出ると行動が怪しくなり、探って見ると共和政派を攻撃する用意をしていた。
これの発覚によりこの世界での戦いが始まった。
「そして、今度は序列の話をしよう。」
「え?」
こうしてまた暫く話が続いた。
話が長くなるので簡略化すると、序列とは強者が生まれにくいヒューマンの戦力を増やす為に、ヒューマンの強者の寿命が尽きようとする時に、その魂に寿命を与えて新しい体に力を持った状態で移された者、要するに転生により更なる寿命を得たヒューマンの強者達のことである。
ちなみに転生は世界の均衡以前に、死という概念に対する考えを変えてしまう為禁止されていた。
「と、まあ序列とはこう言うものだ。おっとお疲れの様だな。少し話過ぎましたかね?取り敢えず、伝えるべき最低限は伝えらたので、今日は仕事もしましたし食事にでもしましょうか。」
「そうして貰えるとありがたいです。」
「では移動しましょうか。」
ペクウニアはそう言うと立ち上がり、聖もその後に続いた。
ちなみに、クーペロッムは暫く前に仕事があると出て行った。
今日はかなりハードワークだったな〜。
でも、明日が本番だから頑張らないとな〜。
そう、王国との全面戦争を。
創造主達の力関係
創造主を100換算
創造主 100
ティラータ 80
他の3大神 50
ヒューマンの神 25
その他の人神 20
この数字は足し算すると同レベルで戦えると考えて下さい。
大体10の差で結構一方的な戦いになるが、耐えるだけなら出来るくらいの差です。
神々が直接戦わないのはそうすると世界が危ないからで、束ねているものを使って相手の力を削ぐ戦いを今はしているわけです。