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色々あります第二十三話

今回と次回は回想です。

これ終わったら5話くらいでリョウレン軍との決戦は終わって、それから10話以内に次の世界に行く予定です。

投稿ペース遅くて本当にすみません。

気長に見ていただけると嬉しいです。

 約30年前、大陸で覇権を握っていた商会 オーバル商会の11代目会長 アルト・オーバルの妻セリアと息子アンシスは海の国 シーホニアにいるアルトに会う為に船に乗っていた。

 星10の傭兵パーディーを2組、人数で言えば11人も雇い、何も起きず、無事に着ける。その筈だった。


「おい!4時に人らしきものが2人空中に浮かんでゆっくりこっちにきているぞ!」


 傭兵の1人がそんな報告をした。

 この傭兵のパーティーは集まり、警戒体制でその宙に浮くものに対して警告をした。


「何者だ!我々は星10傭兵のパーティー 六武人だ。今、依頼を受けて護衛をしている。このまま正体を明かさずに近づくのではあれば相応の対応を取ることになる!即刻進路を変えよ!」


 初めは皆、何事もなく終わると思っていた。

 星10と名乗れば、たとえ国王であっても下手な対応はしない、どんな凶悪な盗賊、海賊も尻尾を巻いて逃げる。

 こんな海の真ん中で明らかに不審ではあったが、今回もいつもどうり、相手が下がると思っていた。


「我は第五ノ王 ウォルフェス、そしてこっは第七ノ王 セリオル。我々はこのセリオルの占いで我らの厄災となる者がこの船にいると掴んだ。名はアンシスと言う。大人しくその者を渡すのであれば苦痛なくあの世に送ると約束しよう。」


 ウォルフェスと名乗る男は、2メートルはあるであろう背丈に、盛り上がった筋肉を持ち、道士の服を着ていた。

 セリオルと名乗る男は、180程で、フードを被り顔は見えないが少し不気味な雰囲気を纏っていた。


「は?何が王だ?それにお前達が俺らを?同数でも勝てんのに6対2とは、最近、こういう威勢のいい奴がいなくなって暇してたんだ。」


 リーダーの言葉に六武人は軽く笑った。


「そうか、君達の考えはよく分かった。少し遊んでやってもいいが、離れているとは言え一応は血海に隣接している場所だ。すぐ終わらさせてもらう。」


 ウォルフェスはそう言うと、腕を振り翳した。

 すると、六武人は何かに気付いたのか、4人がウォルフェスとセリオルに襲いかかる。


「アラン、お前は残って船を守もッ」


 リーダーがそう言おうとした瞬間、彼は海に叩きつけられた。


「リーダー!」


「待て、今はあいつらに集中しろ。」


 黒の魔剣が到着するまでの時間はたった5秒、その間に六武人は棍使いのフェルトがやられていた。

 あたりを見ると、海から武人のリーダーが上がってきていた。


「六武人これはどういう事だ?!」


 魔剣のリーダーが状況の飲み込めずに戸惑いながら聞いた。


「敵集だ。数は2、星11相当の実力者を持っているだろう。こっちは1人やられた。あのゴツいのは俺らがやるから後ろのを頼む。」


 武人のリーダー、武士のサナダマルはそう言うと仲間達の元へ向かった。


「マリエル、お前はここで船を守る事に専念しろ。シーホニアの海域まで行けば、俺らの勝ちだ。お前ら行くぞ!」


 そこから暫くは、誰かが倒れるという事はなかったが、傭兵達は明らかに消耗していた。

 敵も傷を負っているが、傭兵達の傷に比べればそこまでのものではなかった。


 魔剣が来て、何とか対等に戦えてはいるが、長期戦になれば不味い、俺が捨て身でこいつの隙を作るしか


 サナダマルは仲間に合図をし、決死の覚悟で前を張った。


「どうした?やけが回ったか?そろそろ終わらせてやるか。」


 次の瞬間、凄い衝撃波が起こったと思えば、サナダマルは左腕を切り落とされていた。

 ウォルフェスは後ろに敵が回っているのに気付き、サナダマルをまた海に落としてそちらの対応をしようとした。


「隙を見せたな」


 サナダマルは残った右腕で刀を強く握り、ウォルフェスの右胸に突き刺した。


「今だお前ら!俺ごといけ!」


 指示を受け、2人はウォルフェスに攻撃しようとする。

 勿論、ウォルフェスは避けようとする。しかし、サナダマルは刀から手を離し、ウォルフェスの首下の辺りに噛み付いた。


「グゥッ!」


 ウォルフェスはサナダマルの腹を殴り急いで逃げようとし、それで意識を失ったサナダマルはどこかへと飛んでいった。

 ウォルフェスはとにかく距離を取ろうとしたが、


「死ね!化け物!」


 槍使いのマースは背後から心臓を突き刺し


「セイッ!」


 拳士のフロールは正面から腹に拳を叩き込み

 

「終わりだ!」


 最後に短剣使いのモーラスは首を切り落とし、首を失ったウォルフェスの体からは力が抜け、海へと落ちていった。


「フロール!今すぐ船に戻り状況を伝えてこい!俺とモーラスは魔剣の援護に!」


 マースは勝ちを確信していた。

 仲間を1人失い、満身創痍の者もいるが、護衛対象は守り切った。

 さっき、セリオルと剣を交えた時、近接特化ではない事は分かった。

 魔剣は剣士2人、魔術師3人のチームだ。

 どれだけ強い魔術師でも近接職が4人でかかれば大概は勝てる。あとは魔法で魔術師達にリーダーを探してもらえば完璧そう思っていた。


「グゥブォッ」


 そんな声?が聞こえとともに何かが横を通り過ぎ、海へと落ちていった。

 見てみるとそれは魔剣の剣士だった。


「急げ!」


 2人は急いで魔剣の方に向かい、着いた時には魔剣で残っているのはリーダーと魔術師1人だけだった。

 敵の方を見ると、1人鎧を着た男が増えていた。


 あれは?まさかリョウレン軍の鎧?!しかもかなり高い地位だぞ!


「おい、何があった。」


 マースは魔剣のリーダーに尋ねた。


「分からない。空に亀裂が入ったかと思うとあいつが出てきた。奴は自分を第四ノ王 タルコ・ラボランと名乗った。かなり強いぞ。さっき、ウチのメンバーが一瞬でやられた。船の奴らを呼ばないと確実に負ける。」


 マースは腰にある発煙筒を使い、船のメンバー達も来る様に指示を出した。


 タルコ、確かリョウレン史上最強の騎士で、若くして第一騎士団の副団長になったと言う、特徴も一致する。

 しかし、苗字は違う。何より、彼がこんな所に居るはずも、こんな事をする理由もない。


 マースは、敵と睨み合いながらそう考えていると、気付けば他のメンバーが到着した。


「マースさん、あいつらは?」


「分からんが、こいつらはかなりの手練れだ。1人やったが、リーダーとフェルトがやられた。魔剣も2人いかれてる。」


 7人は改めて、敵の方を向いた。


「話はもう終わりでいいか?」


 タルコと名乗った男はそう言うとゆっくり高度を下げ始めた。


「貴様らのはまとめて私が相手をしてやる。」


「へぇー、じゃあ、そっちの根暗は?」


 マースがそう言うと、セリオルが前に出ようとするがタルコがそれを制止した。


「こいつには船の奴らの始末を任せる。」


 その言葉を聞き、面々はより一層顔をこわばらせる。


「我々がそれを許すとでも?それに、船には他にも傭兵が20人程乗っている。ここで我々の相手を2人でした方が」


 タルコはマースの話を止め、自分の話をし始めた。


「どうせ、そいつらの大半は飾りだろ?お前達程の実力者はいないはずだ。それと、お前達がシーホニアの海域まで行き、助けを求めようとしているのは分かっている。あそこの将軍は確かに強い。私もただではすまないだろう。しかし、今シーホニアでは内乱が起きている。」


「何?!」


「奴らは海域の警戒を下げている。その状態だと助けがくるまで今の倍はかかる。まあ、無駄話はこれぐらいにして、続きを仕様ではないか。」

 

 タルコはそう言うと一気に距離を詰めた。

 セリオルは指示どうりに船に向かう。


「待て!奴をいかせッ」


「よそ見をしている場合か?」


 マース達は船に誰かを向かわせたいが、タルコがそれを許さない。

 セリオルは船に高位魔法を撃ち込もうと力を溜める。


「マリエル!あの魔法を何としても止めろ!」


 魔剣のリーダーはそう叫び、彼女もそれに従い魔法を準備するが間に合わない。

 セリオルの魔法陣からは大きな氷の槍が具現化し、船に向かって放たれた。


「やめろー!」


 誰もがダメだと思った。

 槍は船に迫り当たるその瞬間、ガコッという音と共に真っ二つに割れた。

 槍は大きな水飛沫を起こし海に落ち、水飛沫が落ち着いた時、船に当たる筈であった所に1人の男が立っていた。


「リーダー!」


 そこには、武人のリーダー サナダマルいた。


「よう、お前ら。こっちは俺に任せろ。」


「でも、その体じゃ!」


 サナダマルの体は立っているのが不思議だ程の有様出会った。

 服はボロボロ、そこから見えるサナダマルの体には無数の刀傷に、刺された後も多数ある。なりより左腕を失い武士としてはもう終わったも当然である。


「大丈夫、あれを使えばまだいける。」


「リーダーまさか!」


 サナダマルは残った手を胸の前に持ってきたかと思うと、次の瞬間に胸を肋骨ごと広げた。

 そして、次に右手で心臓を抉り取って潰した。


「何だあれ?お前達のリーダーは気が狂っているのか?」


 タルコはそう言い、サナダマルから目を離した次の瞬間、サナダマルから膨大な魔力が発せられた。


「妖刀 飲血」


 サナダマルがそう言うと、黒い何かがサナダマルを包む。

 タルコは何かに気付いたようで、セリオルに向かって叫んだ。


「あれを今すぐに殺せ!あれはあれは!」


 セリオルはすぐにありったけの魔力を込めて魔法を放つ。

 それはコンマ1秒で黒い何かに接触したが、次の瞬間、黒い何かと共に弾け飛んだ。


「セリオル!お前はこいつらをやれ!あれは私がやる!」


 タルコは焦りながらそう言う。


「俺達が行かせるとでも?」


 マース達はタルコを止めようと前を阻む。


「いや、お前はそこのフードをやれ。奴は私でも勝てるか怪しい。」


「リーダー?!」


 サナダマルの言葉に、面々は驚きながらも従う意志を示した。


「タルコとか言ったな?あっちでやろうか。」


 そう言うと、サナダマルはタルコを連れて、どこかへ飛び去った。


「えーと、じゃあ、俺らは俺らでやるか?」


 何処か釈然としない、魔剣と武人達はセリオルと対峙した。

ウォルフェス

 30年程前にいた5番の王でドワーフ。

 王になる前はドワーフの国にいたが、その長身が気味悪がられ迫害されていた。

 元は根が優しく、差別をしてくる者達でも困っていたら助けていた程であったが、ある日、冤罪により裁かれ、公開処刑をされるという日に、当時の4番目の王であったヘルエスという女が任務でその国に視察に来ており、見兼ねられて助けられ、彼女の部下になり力をつけた後、母国に一度戻り過去に蹴りをつけようとしたが、そこで両親、家族以外で唯一ウォルフェスに優しくしてくれた幼馴染のクラリスが無惨に殺されていた事を知り、その国を滅ぼした。


セリオル

 元は商家の後継、いわゆる御坊ちゃまであったが、子供の時、たまたま踏み潰してしまったネズミを見て、生物の死に美を見出し、隠れて禁忌魔法の研究をする様になった。

 最後には、家族を含め街の人間を使ってアンデットを生み出した。

 それを知ったグリファーサルが興味を持ち、王入りを果たした。


タルコ・ラボラン

 あのタルコである。

 前の説明があれだったので、この場を使いもう一回名前について言及する。

 タルコは王入りする時、本名を捨てタルコと言う名前にした。

 まだ9番目の時にある任務で失敗し、当時3番目であった王が尻拭いをした。

 その後、その王がこの件をいじってやろうと思い、タルコを失敗した任務から取ってきたラボランという名前をプレゼントした。

 パラタルドという名前は、リョウレンに元々あった名門貴族で、そこを乗っ取り、表ではパラタルド家の当主と言う事になっている。

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