三つ目の世界で第十一話?
めちゃくちゃ短いです。
「「「一! 二! 三! 四! 五! 六!」」」
「声が小さいぞ!もっと大きく!」
「「「はい!」」」
今、聖はアウストラディスと言う世界ある我進門という門派にいた。
この世界にきてもうすぐ五年になり、周りにもかなり馴染んできている。門派に入って3年で成武と大出世を果たし、今では聖公武と呼ばれかなり慕われている。
もう前の世界の人の名前をほとんど覚えてない。唯一覚えている人がいるとすれば心の友
ミハリさんだ。
フルネームはミハリ・シタッパ。
聖の召喚された国で魔王軍の下っ端の見張りを任されていた時に散歩していた聖と出会い意気投合。
魔王の収める国に来てからは会っていないが聖はミハリとの再会を夢見て日々修行に励んでいた。
聖が昔の思い出に浸っていると
「聖!ピユルド天武がお呼びだ!」
聖の同僚、ヒユラル公武がそう言った。
この門派はこの世界ではかなり名の知れた組織で、国も簡単には手を出せない程だ。
基本は外界と接触する事なく世界5大山の一つアルトスで日々修行をして武の頂を目指している集団だ。
国から依頼が来た時には門下の者を送って魔物の討伐などをしている。
階級は下から稚武、幼武、小武、半武、中武、枢武、上武、準成武、成武、公武、天武の11階級がある。
天武は門主1人、公武は11人と決められていたが、今の門主 ピユルドは神から聖を頼まれて鍛え上げて12人目の公武とした。
聖は来た当初こそ風当たりが強かったが、次第にその強さが認められ、公武になると決まった時、これに反対する者はいなかった。
「ピユルド天武が?分かりました。お前達、私は少し席を外すがしっかりと稽古に励むように!」
「「はい!」」
聖は何故呼び出されたのかを考えていた。
うーん、分からん。何故呼び出された?
議会は3日前に終わり報告に漏れもない。失態もした覚えも無いし。
聖が額に皺を寄せているとヒユラルが聖に話しかけた。
「大丈夫だ。お前はよくやっているよ。だから呼び出されたんだ。」
「それはどう言う事ですか?」
聖がそう問いかけると
「それは私の口からは言えない。ただ君に悪い話ではないと思うね。少なくとも私は。」
聖はヒユラルに連れられて門主の部屋の前まで来ていた。
ヒユラルは右端にある呼び鈴代わりの小太鼓を叩いてからこう言った。
「門主、聖公武をお連れしました。」
「入れ」
言葉が返ってくると2人は扉を開けて中に入った。
部屋は学校の教室程で教卓の位置より少し手間に机があり、そこには白髪が少し目立つ50代程の男が座っていた。
2人は机の手前まで行き左膝をついた。
「楽にしてくれ、ヒユラル公武はどれくらい話したかな?」
ピユルドの問いに2人は立ち上がってから答えた。
「何もお聞きしていません。門主からお聞きするのが一番だと言われました。」
「そうか、では早速本題に入るが、聖公武、貴方には我進門を広める為に世界各地を訪れて貰います。また、我進門の名で道場を開く事を許可します。」
「はい?」
聖は理解が出来ずについそんな事を言ってしまった。
すると2人は
「ふっ、はっはっはっは、これは建前だ。今から門主としてではなくピユルドとして話す。」
「分かりましたが、ピユルドさん、一体どういう事ですか?」
「君は本来の役目を果たしに行くという事だ。」
「思ったよりも遅かったですね。」
聖とこの世界の人との間にはカルチャーギャップがある。
この世界の人々からすると神から何か使命などを与えられる事はこの上無く素晴らしい事である。
しかし、現代に生き、神などに全く興味のない聖からすると、面倒を押し付けられたとしか思えない。
「ああ、だがその分より、武に没頭する事が出来たはずだ、ここでやった事は決して無駄にならない。公武の地位もそのままた。我進門の公武であれば何処に行っても温かく向かい入れられるだろう。
ここから門主の長い話が暫く続いた。
だから全てが終わって、行く宛がなかったらここに戻って来るといい、我々はいつでも歓迎しよう。」
「ありがとうございます。これで用意などもありますがいつ頃にここを発て場合のでしょうか?」
「2日後だ。かなり急だが頑張ってきてくれ。用意はこちらでしよう。もしも欲しい物があったら言いなさい。明日は一日自由にしていい。今日は下がって必要な物を確認しなさい。」
「分かりました。5年間お世話になりました。」
「私も君からは大きな刺激を受けたよ。ありがとう。それと、別れの言葉は明後日までとっておきなさい。」
「はい、では失礼します。」
それから2日後の朝、聖は山を降りた。
聖は我進門の山を降りて数百キロ先にある、アースト連邦の国境沿いの都市 ラカンの検問所の列に並んでいた。
待つのはいいんだが、あんまり人がいる所はすきじゃないんだよな〜、少し後ろに暴れそうなのもいるし。
聖はそんな事を思いながら並んでいると
「行ってよし!次の者!」
着いたから1時間程列に並んでようやく順番が回ってきた。
「身分証を」
門番にそう言われると、聖は懐から我進門の公武に与えられる木の札を渡した。
門番は2人いた。
うん、どうやら右の子は新人のようだな。
さっきから少し年を取った男の方が殆どの仕事をしている。
ナヨナヨしてて自信が無さような表情に、貴族の女性の様に白い肌と細い腕、なんでこんなところに?
「うん?何だこの木の札は?我進門の札だろうが...」
門番はそう言うと聖の顔と札を交互に見てから
「へ?あ..あの?少しお待ち頂けないでしょうか?」
「構いません。」
「ピピル、少し任せた。」
「え?先輩?」
「申し訳ございません。上の者に確認してきます。」
そう言うと、門番の1人は何処かへ走って行った。
何だ?何かまずい事でもしてしまったか?
聖はそう思いなが待とうとすると後ろから野次が飛んできた。
「おい、そこの我進門気取りの坊ちゃん!お前の所為で門番がどっかに行っちまっただろうが!」
「私の事かな?」
聖は振り返って確認した。
するとやはり、先程から落ち着きがないと思っていた男が発した言葉だった。
「俺はあんな我進門の階級札見た事ねえ!服から見るに良いことの坊ちゃんが見栄張りで適当に似せて作ったんだろ!」
男は近づいて聖の目の前までズカズカと歩いてきた。
ある程度の実力はあるが、そこらの傭兵より少し強いくらいだな、それにこの性格だと伸びしろもなさそうだ。
聖はこんな事を考えていると、男に何か伝わったのか胸ぐらを掴んできた。
「テメェのその上から見下ろす感じ、気に入らないねぇ。」
周りを見ると列に並んでいた旅人達は少し離れたところでコソコソと話をしている。
「あれ、やばくないか?」
「ああ、でも絡まれた男の札に見覚えがないのも事実だ。」
「我進門の名を語った罰って結構重かったよな?」
と好き放題いい、もう1人の門番はビクビクして止めにも入らない。
聖は、門番に呆れてため息を吐くと、男は自分が馬鹿にされたと思い、聖の顔を殴ろうとした。
すると、
ドーン
と音がして会話に集中していた野次馬達は星が殴られて吹っ飛んだのかも思ったが、周りの雰囲気が少しおかしかった。
そして、聖と男を見ると男の方が地面に背をつけて仰向けになっていた。
男は間の抜けた顔をして、野次馬達は
「今何が起きた?」
「実は我流門の凄い人なんじゃないか?」
と話していると、さっき確認に行った門番が良い服を着た男と数人の騎士らしき者を連れて必死の形相で走ってきた。
「セイ公武!一体何があったのですか?!」
走ってきた者達は息を荒くしながらも、聖に手を合わせて敬意を示しながら尋ねた。
「少し乱暴な方がいたて、危なかったので少し大人しくしてもらうと思いました。」
その言葉を聞き、周りを軽く見て状況を把握したのかナヨナヨした門番に睨みをきかせた後、笑顔を作って
「門番が大変失礼をいました。私は陛下より伯爵の地位を頂き、この都市周辺を納めております、ドレル・マークスと申します。」
良い服を着た男はマークスと名乗った。
「これはご丁寧に、私は我進門 公武 セイ シモザキです。」
聖がそう返すと野次馬達は更に盛り上がっり、それをみたマークスは聖を屋敷に招いた
「セイ公武、ここから我流門まで相当な長旅だったでしょう。是非、私の屋敷で旅の疲れを癒してしください。」
「お言葉に甘えてそうさせてもらいます。」
「では、私が屋敷までご案内しましょう。」
マークスは騎士を一瞥して指示を出した。
「マークス卿、我々に馬などは必要ありません。どうぞお気になさらずに。」
マークスは図星を突かれて驚いた様子だったが、我進門は馬などを使わない事を思い出して急いで別の提案をした。
「そうですか、では少し都市を歩きながら行かれますか?」
「それは良いですね。是非ともお願いします。」
そして、聖とマークスは屋敷に向けて歩いていった。
「ここが私の屋敷です。」
屋敷の前まで来るとマークスはそう言った。
前の世界の聖の屋敷より小さいがデザインはこちらの方が聖好みだった。
家の前には使用人達が出迎えのため待機していた。
「セイ公武、こちら使用人のペンタルです。まだ若いですが、とても有能な者です。何かありましたこの者に申してください。私は少し公務がありますので大変恐縮ではありますが失礼させていただきます。」
「いえ、忙しい中ありがとうございます。」
マークスはそう言う屋敷の奥に入っていた。
今回、いつにも増してストーリーが変だな〜と自分で自覚してるのに直さない奴(自分)




