コント 面接
面接
面接官:ボケ 受験者:ツッコミ
面接官「では、次の方どうぞ」
受験者「は、はい、失礼します」
受験者はぎこちない動作で、面接官の前に立った。
面接官「ではまず、自己紹介をどうぞ」
受験者「は、はい。私は某大学より来ました、4年の山田太郎といいます。本日はこのような貴重なお時間を頂き」
面接官「あ、そういうのいいから。早く座って座って」
受験者「は、はい」
そう言われると、受験者は面接官の前の椅子に腰かけた
面接官「山田太郎さんはなにか大学でがんばってきたことはありますか」
受験者「はい、僕は学生時代一生懸命勉強してきました。毎日3時間は勉強するようにして、そのおかげで試験などでも良い結果を」
面接官「あ、わかりまーした、要するに君は人との協調性がないんだね」
受験者「あ、いえ、そんなことは」
面接官「あ、大丈夫大丈夫、学生時代頑張ってきたことで勉強とかいう人はみんなそうだから、わかってるから。では、バイトやサークルの経験は」
受験者「は、はいバイトは・・・・・・・・」
面接官「協調性のない君がバイトとかやってるわけないか、ごめん、ごめん」
受験者「あ、いえ」
面接官「じゃあ、休日とか何やってんの、読書とか、ゲームとか、あ、もしかして最近はやりのヨガやってるとか」
受験者「あ、いえ休日はコンピュータいじりを少し」
面接官「うわあ、イメージぴったり。じゃあ、面接は以上になりますが何か質問は」
受験者「うえ、あ、あの、志望動機とかどういう風に働きたいかとか何も聞いてもらってませんが」
面接「うん、ああ、いいの、いいの、どうせ君を雇う気ないから」
受験者「へ」
面接「実はさあ、うちの部長の娘さん、娘さんがうちの会社を受けるんだよね、だから、最初から君を雇う気はなかったの」
受験者「そ、そんなあ」
面接「まあ、まあ、いいじゃない、僕と楽しいお話しできたんだからさ。まあいい夢見れたと思って、ねえ、だって君みたいな冴えない、協調性皆無みたいな子が家みたいな大会社で働けるかもしれないって夢見れたんだから。こんな夢見れるのほかに早々いないよ。さ、わかったら、ちゃ、ちゃ、と出ていってね」
受験者「・・・・・・・わかりました。お世話になりました・・・・・・・・・・」
20年後
面接官「次の方どうぞ」
受験者「はい、失礼します」
受験者は扉を開け室内に入ると、面接官の前に立った
受験者「私の名前は田中博と言います。以前はIT会社ネットバンクで働いていました。そこでは」
面接官「あ、そういうのいいですから、座ってください」
受験者「は、はい」
面接官「田中博さんは、今回、中途採用に応募されたのですが、どういった経緯でわが社に応募されたのですか」
受験者「は、はい、元々私が働いていた会社ネットバンクが倒産してしまいまして、途方くれていたところ、最近のIT業界を席巻されている御社の求人が目に留まりまして」
面接官「なるほどわかりました、では以前の会社で田中さんががんばっていたことは何ですか」
受験者「は、私は人事部として若く未来ある若者たちと真摯に向き合い」
面接官「うそですね」
受験者「は、い、いえ嘘では」
面接官「ああ、大丈夫、大丈夫、ちゃんとわかってるから、それでは、あなたを慕ってくれている方は」
受験者「は、はい私が以前の会社にいたころは、それはもう多くの後輩に尊敬され」
面接官「ああ、失礼、あなたのような人を慕う人なんかいませんでしたね。これは失礼なことを聞きました」
受験者「あ、いえ」
面接官「それでは、最後になりますが、私のこと覚えてますか」
受験者「は」
面接官「ご紹介遅れました、私、株式会社レイアネット社長、山田太郎、と言います」
受験者「え、君、あの」
面接官「はい、あなたにろくな面接もしてもらえず落とされた山田太郎です」
受験者「あ、あの時は・・・・・・」
面接官「勘違いしないでください。田中さんには感謝しているんです。あの時、あなたが面接で落としてくれたおかげで、僕はこの会社を立ち上げ、いままで頑張ってこれたのですから。本当にありがとうございました。今の僕がいるのはあなたのおかげです」
受験者「で、では・・・・・・・」
面接官「ええ、もちろん・・・・・・・・・・・・・・・・・不採用です」
ガタン(受験者が椅子ごと倒れた)