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覚醒~変異~  作者: 彦麿呂
2/6

電極アナライザー

閲覧ありがとうございます☺️

この作品は長編になります。

宜しくお願い致します。

 『ギャォー』


 『グォー』


 下から鼓膜に、突き刺さるような甲高い鳴き声が響いてくる。


 野呂は大木の梢にぶら下がっていた。



 歪な人間の顔と蟹の合体したような不気味な顔を持つ巨大化したイモリが、ヌメリヌメリと登ってくる。



黄褐色のヌメヌメした舌を幹に這わしながら、イモリは胴体をゆらゆら揺らす。



 腐ったチーズとイカと納豆に、アンモニアをミックスしたツーンとした強烈な悪臭が、下から風に煽られて登ってくる。



 遥か右手前方に近代都市の高層ビルが見える。



 野呂は隣りの大木に飛び移ろうとした瞬間に、右足にイモリの舌が、ばしっと巻き付いた。


 



 野呂は、1回転しながら手刀をイモリの舌に打ち下ろした。


 『ギャー』


 イモリが悶え苦しむ。


 野呂は、イモリの舌と真っ逆さまに落ちてゆく。


 映像がフェイドアウトする。


 手術台に寝かされた野呂の頭にスッポリ被せられているヘッドセットと電極アナライザーを取り外す。


 野呂の過去の記憶を探っているが、不思議な事に地球外の星の記憶ばかり。



 「これは、どういう事だ?」



 羽村駅前の喫茶店で、摩耶からスマホに保存されたビデオを見せられた神谷が、眼を見開いた。



 「神谷さんに、野呂の過去の記憶映像を見せたくて、あんたの身元引き受け人になったのよ。あんたは脳科学の専門家でしょ」



 「そりゃそうだが、よく裁判所がオッケイ出したな」



 「あたいの能力をちょいと‥‥‥うっふふ」




 「あんまり自己の能力を過信するなよ。ちょっとした事が命取りになるからな。我々を追跡しているのはブラックデッドの死神と言われる4人組だから……死神の一人さえ二人で立ち向かっても勝てるかどうか分からない」



 「分かったわ。十分気を付けて痕跡を残さないようにする」



 「ところで、この男と何処で知り合った?」


 「うーん……説明が難しいけど、この顔を持つ男が私の旦那。 3ヶ月前に父が心不全で亡くなったので、旦那と二人で奥多摩の別荘に行った。私の父(神次郎)が住んでいた別荘で、その地下で段ボールで覆われている直径1メートル位の円盤を発見したのよ。旦那は、これは金になるぞ、と言いながらハンマーでガンガン叩いていた。すると円盤がキラキラと煌めきだし目が開けないほど眩しい。その瞬間に旦那が円盤にスッと吸い込まれた。しかし1分もしないうちに体が2倍位に膨れ上がって、ポーンと放り出された」



 「それから、どうした?」



 「ちょっと待って。喉が渇いたから」


 麻耶はグビグビとコーラを飲み始めた。








お気に入りと評価ありがとうございます。


感謝いたします。


これからも宜しくお願いします。

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