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タイミングが悪い……
て言うか思い出すの遅すぎ……
私は病気で寝込んでいた。
夢を見て魘されていた。
夢の内容は、前世の15年分の記憶。
……本当に死ぬかと思ったよ、普通の病気で。
まあ、それはおいといて。
思い出した前世の記憶によると、ここは乙女ゲームの世界。
よくある転生モノでありがちだ。
この世界には魔法がある。魔物とよばれる生き物もいる。
精霊や妖精もいる。そして何故か妖怪もいる。
という謎。何故そこで妖怪?…………謎だ。
で、肝心の私の立場は。
「……うん。わかってたよ、転生ものってそうだよねわかってた。…………でも、私本当になんにもしてないんだから対処のしようが無いじゃんかぁぁぁぁぁぁああ!」
そう。私はこれまたこの手の転生モノによくある悪役令嬢に転生していた。
ここまでなら対処もその手のモノを参考にすれば良いだけ。
……周りの人間達によって私が悪役令嬢のような立場になっているだけなのだから、参考の対処法がわからない。
「なんっでだよ……めんどくさっ!!」
令嬢の言葉使いじゃないって?
……この際いいでしょうが!!