シスターズ報告会2
スマホのデジタル時計はすでに午前0時を過ぎている。
そんな時間に、私洲咲くるみは、目を開けたまま布団に包まっていた。
「またやっちゃったよぉ……」
心の声がついつい口に出てしまうほどに私は後悔している。
それはついさっきの出来事。またしてもおもいびとに、きつい一言を浴びせてしまったのだ。
「こころになんて報告しよう……」
光が漏れないよう、体全体を布団で覆い、スマホをこっそりと開く。
委員長の分際で、夜更かしなんてやってはいけないことだと思うけど、ここは目を瞑ってほしい。
修学旅行前、私は妹のこころといろんな約束……もといミッションを課せられ修学旅行当日を迎えた。
『話は帰ってから聞くけど、異常事態があれば連絡してね』
『わ、わかった……』
朝早いのに、私の見送りをかねて釘をさしてきた妹。頑張ろうと意気込んで修学旅行に向かったはずなのに……、実はやれと言われたことを一つもできてなかったりして。
ち、違うの! やろうとはしたんだよ!? で、でも、最後の勇気が出なかったというか……。
ちなみに、修学旅行中のミッションはと言うと。
一つ、さりげないボディタッチ
二つ、下の名前で呼んでもらう
三つ、手を繋ぐ
見返すと、その難易度の高さにため息が漏れる。あぁ、チャンスは何度かあったはずなのに……。
バスで隣に座れた時、ズッキーニランドで二人になれた時。いったい私は、何をしていたんだろう。
そして、取り返しのつかない重大なミス。私はもうダメだ。帰りたい。
でも、そんなわけにはいかないわけで。恥ずかしながら妹に頼るしかない。
『こころ起きてる?』
メッセージアプリを起動し、妹にメッセージを送信。すると、すぐに返信が返ってきた。
『起きてるよー』
『良かった〜。ちょっと報告したいことがあって』
『はいはいー』
そして私は、今日の出来事を包み隠さず妹に報告した。
バスのこと、ズッキーニランドのこと、ついさっきのことも。
長文を送りつけたので、それを読むまでの時間がかかっているのか、妹からの返信はまだこない。
大人しく返信を待つ事五分程度、やっと妹が送ってきたメッセージがこれだった。
『バカ』
……。
私が悪いのはわかっていた。でも、ちょっとくらい褒めてくれたり、慰めてくれると思ってた。
なのに、何でとどめを刺しにくるの!? もっと色々言われた方が楽な感じがするんだけど!
そして続けて、メッセージが送られてくる。
『あ、ごめん間違えた。おやすみ』
『何をどう間違えたの!?あと、見捨てないで!!』
こころだけが頼りなの!
そんな姉の叫びを、聞き届けてくれる優しい妹だと私は信じています。
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