二人きり 3
合流場所は園の出口。そろそろ、園を出なければいけない時間が迫ってきているので、そのまま外に出るみたいだ。
ここにくるのは初めてだったけど、次くるときは絶叫系、克服しておこうと心から思った。結局、アトラクションは一つだけしか乗ってないな……。怖かったからその時のことあんまり覚えてないし。
ま、お土産買えたからよしとしよう。
「じゃあ行こうか洲咲……さん?」
ん? さっきまで隣にいた洲咲さんの姿が見当たらないぞ。トイレにでも行ってるのかな。
なんて思っていると、スマホに一通のメッセージが届いた。
『絶対に、くるみを一人にしちゃだめだからね!!』
そんな文を送ってきたのは湊川さんだ。
実は、移動中のバスの中で連絡先を交換していたのだ。平福さんとも。
ここ最近、女の子の連絡先が次々と俺のスマホに登録されていく。何かの間違いだろうか。
……妹に見られたらやばいな、見つからないようにしないと。最初にその心配をした時点でもうやばい。
それより、今はこのメッセージだ。一人にするなって……もう、遅いような。
『仮にくるみがいなくなった場合は、合流地点に向かう道の逆に進んでみて、絶対いるから』
『わ、わかりました』
『安全にくるみを送り届けるのが、あっしーの役目だからね』
と、とりあえず、反対に進んでみるか……。
スマホを閉じ、園内の地図を開く。出口はこのまま南に進むから、逆の北。
「さすがに一歩目から間違うこととかないだろ……」
そう思いながら、半信半疑で歩いてみる。
いくら方向音痴だからといって、最初から道に間違うなんてことあるのか?
するとすぐに、頭に耳を生やした洲咲さんを見つけることができた。……マジか。
「えーと、ここがここだから……こっちであってるはず。ね? 芦屋く……ん?あれ?」
遠くからその様子を伺っていると、少し焦った様子で辺りを見回し始めた。どうやら、俺とはぐれてしまったことに今気づいたみたい。
でもあれだな、そんな洲咲さんはとても新鮮で、可愛いく見えてしまう。
人が困っているのを見て笑うなんて俺、性格悪いな。
『あ、芦屋くん! 今どこ!?』
そんなメッセージが届いていることに俺は気づいていなかった。
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