兄と妹5
家に帰ると、玄関で妹が仁王立ちして待ち構えていた。
「おかえり兄さん」
「おう、ただいま」
がっつり無視してリビングに入ると、後ろから妹が泣きついてくる。
「なんで無視するんですか!?」
「いや、めんどくさいだろ絶対」
すでにめんどくさいので、どっちにしろ一緒だった。
なんだ今日は……。
普段も十二分に絡んでくる妹の七海。最近、その絡みがしつこくなっているのには理由がある。
「浮気しといて……その態度はいただけません!」
「浮気じゃないだろ」
七海は、俺が藍那さんと出かけた日のことをめっちゃ怒っているのだ。
どうやらその日、お昼ご飯を一緒に食べようと思っていたらしく、意気揚々と帰ってきたのに家に俺がいなかったのと、自分を差し置いて他の女の子と遊びに行くなんてありえないというのが七海の言い分だ。
正直、俺は一個も悪くないと思う。兄がどこに誰と出かけようが妹には関係ない。
もちろん、事前に約束をしていたとかなら話は別だけど、そんなことは一切ない。
しかし、反論したところで「はい、わかりました」と頷くようなやつじゃないことはよく知っている。
だから、適当にあしらっているのだが、今回はしつこすぎる。いや、マジで。
ソファにカバンを置いて、体にひっついている妹を引き剥がす。
「なな、お前もう中二だろ? そろそろ兄離れしないと」
「何を言ってるんですか!? 私が兄さんから離れるときは死ぬときです!」
こいつの頭の中どうなってるんだ……。これで、学校では成績トップなんだよな。神様、妹の作り方間違えたんじゃないか?
「はぁ……。わかった、俺が悪かったです。何をすれば許していただけますでしょーか?」
なかば諦めの策。早めに機嫌をとっていた方がいいな、これは。
「ふふふ、やっと認めましたね! 私は兄さんが大好きですが、兄さんも同じくらい私が好きなことを知っています。一回や二回のあやまちなんて、些細な問題に過ぎません」
おい、嘘つけ。あの日帰ったらめっちゃ泣き喚いてたじゃねーか。些細な問題に号泣するやつがいるか。
「ですが、タダで許してあげるわけにもいかないのが辛いところです」
腕を組みウンウンと頷く七海。妹だから何も思わないけど、普通だったら殴ってるぞ。
「なので、ななともデートしてください」
えーと、つまりお買い物に付き合えばいいってことだな。
「はいわかりました七海様」
「気の無い返事が気になりますが、絶対ですよ!」
「うんうん」
「ぐぬぬ。約束破ったら、一週間一緒に寝ますからね!」
「やめろ」
これでこの件は解決でいいですよね? まぁ、修学旅行から帰ってきてからの話になるんですけど。
読んでいただきありがとうございます(^。^)
次回からやっと、修学旅行に行きます。ちんたらしてすいません。
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