番外編 七夕ストーリー
七夕記念です!
幼少期の頃のお話です。お楽しみください。
番外編ですので読まなくても大丈夫です。
『芦屋家の場合』
今日は七夕だ。学校のレクリエーションでも、短冊に願いを書かされた。
あいつの願いはなんだ、こいつの願いはなんだと盛り上がっていたっけな。俺は一人だったけど。
「兄たまおかえり! 今日は七夕ですよ!」
「うん、早く明日にならないかな」
「なんでですか!?」
ランドセルを背負ったままリビングに行くとそこには、大きな笹の木が置いてあった。
「おかえり歩。お父さんがこんなの送ってきたわよ」
「ふ〜ん」
母は、鼻歌を歌いながら短冊を笹に吊るしている。まさか、家でも七夕イベントが発生するとは思ってもいなかった。
テーブルには自分の名前が書かれた短冊が……また書くのかよ!
「兄たまは、どんなお願いをするんですか?」
「え……書かないとダメ?」
「せっかくの七夕ですよ! 彦星様と織姫様にお願いしましょう!」
あの二人にお願いするの? 迷惑じゃない? 唯一、会うのを許されてる日だぞ。
そんなことを思いながらも妹のしつこさに、嫌々願いをごとを書いて母に渡した。
「うふふ」
「な、何?」
「いや〜なんにも〜」
俺のお願いを見て母がニコニコしている。おかしなこと書いたつもりはないけど、なんか恥ずかしくなってきた。
「やっぱ、変える!」
「いやいや、いいお願いごとだと思うわよ?」
「え、兄たまどんなお願いごと書いたの!?」
「教えない」
うるさい妹を無視して、母に短冊を吊るしてもらう。
高いところに吊るしてもらったから妹には見られないはずだ。
『また、家族揃って旅行に行きたい』
小さい頃の俺は、それが一番のお願いだった。
『洲咲家の場合』
『運命の出会いができますように』
「お姉ちゃん、何この願い」
こころの真顔にちょっと怯みつつも、七夕の物語よりもロマンチックな出会いをしたいと、こころに語った。
「うん、無理だね」
「なんで!? 一番高いところに吊るしてもらったけど!?」
「お母さんも鼻で笑ってたよ?」
なんでみんなして、人のお願いごとを笑うのか。私だって、少女漫画みたいな恋がしてみたいのに。
この頃の私は、ほんとにこの願いが叶うとは思っていなかった。
『藍那桃花の場合』
「……湖春、これは?」
「今日は七夕ですよ。その紙に願いごとを書いて、笹の木に吊るすと願いが叶うとされてます」
無駄なものが置かれていない、殺風景な部屋。そこにぽつんと座る、天使のような少女。
「ん……ない。湖春、代わりに書いて」
無表情で、無関心で、無感情。お嬢様……。
『お嬢様に素敵な出会いがありますように』
誰でもいい。誰か、お嬢様の手を引いてあげてください。
形のない何かにすがるほど、私はそれを強く望みます。
読んでいただきありがとうございます(^。^)
投稿は毎朝8時にしてますので、本編もお願いします!




