準備は当日朝派?前日夜派?
次の日の朝。昨日よりもちょっと早めに家を出た。が、藍那さんはすでに門の前で待っていた。
「遅くなってごめん、って荷物は?」
「いらないわ」
「いや、いるでしょ!」
今から行くの学校だから、勉強するとこだから! 教科書とか筆記用具とか持ってかなきゃできないんですけど!? 外国とかって何もなしで勉強してるのか? いや、そんなわけないよな……。昨日みたいに、ずっと俺の教科書を見せるわけにはいかないし、持ってきてもらわないと困るんですけど!
「えーと、カバンと教科書貰ったよね?」
「……重い」
どんだけ持ちたくないんだよ……。ムスッとした顔してもダメですよ?
「俺が持つから持ってきて」
「わかったわ」
素直か! まさかとは思うけどこれ言うの待ってたとかじゃないよな?
一度、家に戻って荷物を持ってきた藍那さんカバンは、俺が思っている以上に重かった。カバンのチャックを開け中を確認してみる。
「全教科入ってるし……」
「頑張って?」
「ありがとう……」
明日から、準備して行こう。今日はこの可愛さに免じて良しとするか。
お世話係の仕事は増えていくばかりだ。
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