メイドのお仕事
「げっ、マジか」
それは、藍那さんの家に着いたまさにその時。母からのメールで、昼飯が無いという連絡が届いた。
確か朝、仕事が終わったら友達とお茶に行くとか言ってたな。
妹は部活で帰ってこないし、俺は全く料理ができない。仕方ないから今日は、カップラーメンでも食べよう。普通にうまいし。
「芦屋様、どうかなさいました?」
「あ、坂瀬河さん」
庭の掃除をしていたらしい坂瀬河さんは、袖を捲り上げて、ほうきを持ったまま俺らの前にやってきた。俺のちょっと後ろにはもちろん、藍那さんがいます。今は……立ったまま寝てるのかな? 器用!
「その顔は、ご飯がないなぁ、どうしようかなぁって顔ですね」
「……よくわかりますね」
「私の特技ですから」
胸をはった坂瀬河さん。大きさがさらに目立つ。
てか、表情だけでそんなわかるもんなのか? 心の中読めるレベルの超能力だと思うんだけど。
面白そうに笑う坂瀬河さんを見て、またからかわれたと思った。
「さてさて芦屋様、よろしければお昼ご飯一緒にいかがですか? 私の手料理程度しか出せませんが」
「えぇ!? い、いいんですか?」
「もちろんです。普段、お嬢様のお世話をして下さってるわけですし」
あぁ……この人、俺のお財布事情を察しましたね。おそらく、藍那さんから色々聞き出しているんだろう。昼食のことや、帰りのことまで。
俺は坂瀬河さんの、その気遣いに甘えることにした。
まさかまた家に入る時がこようとは思いもしなかったけど、前きた時と同じ……いや、もっと綺麗になってるような気がする。
この広い家には、藍那さんと坂瀬河さんしか住んでいないと勉強会の時に言っていた。家の掃除は坂瀬河さん一人でこなしているらしい。つまり、坂瀬河さんすごい。
「まぁ、これが私の仕事ですので」
「あはは……」
坂瀬川さん怖い。
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