表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/445

転校生だったのか

「と、言うわけで、転校生の藍那さんです。自己紹介お願いします」

「藍那桃花」


 無表情のまま、無感情に名前だけの自己紹介を終えた藍那さんに、まばらでまとまりのない拍手が送られていた。

 生徒達は「可愛い」とか「可愛い」とか言ってだけど、正直、藍那さんは可愛い。

 転校生だったのか……。どおりで見たことなかった訳だ。

 

「じゃあ席は──」


 と、先生が喋ってるにもかかわらず、俺の方に歩いてくる藍那さん。そしてそのまま俺の膝の上に腰かけた。


「えぇ!?何やってんの!」

「お世話……して?」


 驚きを隠せない俺とクラスメイト達、黒板の前では先生が深いため息をついている。


「ごめん……洲咲(すざき)さん。席、変わってくれないかしら?」

「え……」


  洲咲くるみ。俺の隣の席の女子で、男子から結構人気のある子だ。別に親しいわけではないのだが、突然変わるとなるとほんのちょっと寂しい気持ちはある。


「わ、わかりました」

「ごめんね」


 優しい洲咲さんは、藍那さんに席を(ゆず)った。


「あの、早く立って」

「重い」

「何が!?」


 そんなやりとりをしていると一瞬洲咲さんと目が合った。


「……バカ」


 小さい声でなんて言ってるか聞こえなかったけど、心なしかその表情は寂しそうに見えた。

読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ