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小夜物語 small night tales 第5話  秘密の古墳 secret tomb

作者: 舜風人
掲載日:2014/08/25

小夜物語 small night tales  別名 (藪柑子村開墾地村童夜話)


第5話がここに始まる。



第五話   「秘密の古墳」 secret tomb




さて、、

私の実家というのはこの地でも一二を争う旧家でして、、、


今でも母屋は建坪、約一〇〇坪の豪農屋敷で


威容を誇っています。敷地は住宅部分だけで1000坪です。


その他、、土蔵が5棟あります、

土蔵の中には古文書や古什器がびっしりと収納されていますね。


金目のものは?あるかって?

さあ、私も詳しく調べたわけでもないで分かりかねますが、、、。


ああ、、そういえば


先先代が

土蔵のなまこ壁が傷んではがれそうになったので

昭和に塗り替えようとはがしたところ、

天保小判が70枚ほど塗り込められていたのを発見して


地元新聞のニュウスにもなったことがありましたね。

おそらく幕末の先祖が明治期の混乱を恐れて埋蔵金として塗り込めておいた物でしょうね。

そのほかの土蔵の壁も調査してみたそうですが

ほかにはなかったそうですよ。


私もざっと土蔵内は見てみましたが

さっきも言ったように古文書と古什器しかありませんね。小判の入った千両箱は有りませんでした。

土地は田畑が半町歩ほど、これは農地改革でこれだけ減りました。

山林は農地解放対象外なので今も10町歩ほど残っています。


ところで、、、、


そんなことは今回はとりあえずどうでもいいのです。


実は、、、、


私の家の裏山にこんもりとした小山があるのですが


それが実は小山ではなくて

誰も知らないのですが、、


本当は、古墳なのです。


樹木が生い茂り草に覆われて

これが小山でなくて古墳とは誰もおそらくわからないでしょうね。

小山しか見えません。


高さ20メートルくらい

幅は60メートルくらいの大円墳ですね。


その古墳がある敷地は当然我が家の持ち山なので、つまり私有地です。

それゆえ、

この古墳が公に調査されたこともないのです。


私の実家があるこの県は、古墳の多い県として知られた県ですが、、


我が県には

あの壁画が発見された〇〇塚古墳とかもありますし、

国宝の鉄剣が発見された××山古墳もあります。


さて我が家の裏山の古墳はまったく無名で

公の調査もされたことはないし

まあ私有地の裏山に古墳があるというのも


珍しい?でしょうね。

じゃあなんでそれが古墳だと、、この私が知ってるのか?





実はこの古墳にまつわる


そして、、ここからが我が家だけの秘密があるんです。



実は、、、、ここだけの話なんですが、、


この古墳を何代か前の先祖が秘密に発掘していて


秘密の穴が開けられていて


中に、、つまり石室に入れるんですよ。


で、明治のころ、初めて穴を掘った先祖がろうそくの明かりのかなたに見た物とは


〇〇塚古墳の壁画なんかをはるかに超えるような


壮麗な一面の壁画だったのです。


華やかな宮廷衣装をまとった女官の姿や


居並ぶ男性の武官たちが

色鮮やかに細密に


今描かれたばかりのように墓室の漆喰の壁面全体を


きらびやかに埋め尽くしていたのです、


驚いた先祖はあわてて戻り


怖くなって穴をふさぎそのことを決して一子相伝の長男以外には口外せずに


我が、、秋山河家の秘密にしておいたのです。


おそらく公にするとまずい?と本能的に

騒乱状態になることをご先祖は恐れたのでしょうか。


それとも盗掘が知れるので、家名に傷がつくと思ったからでしょうか?


今となっては詳細は不明です。


さて私もそのことを今は亡き父から

生前に伝えられて


父と一緒に秘密の穴をあけて


懐中電灯を持って


見たことがあるんです。


相続者は一回は見てもよいというご先祖の遺言でしたのでね。


藪を掻き分けて


古墳の裏側に


板でふさいだ穴があるのです。


その板をどけると

石が詰められていてふさがれています。

その石をどけると


ぽっかりと空洞が現れるのです。


人一人がやっと通れるようなその穴をくぐると、


石積みの回廊、、というのでしょうか

石室への参道が現れて高さは人の背くらいです。

周りは石がきれいに積まれて積み石の回廊(参道)は5メートルくらい続きます。

その先は石室で

幅10メートルくらい

高さ4メートルくらいでしょうか。

長方形の石室です。

周りの壁は石積みで漆喰のようなものでコーティングされ


その上には極彩色で宮廷の男女像がまるで生きてるように描かられています。


その美しさはこんなのって日本のどこにもいまだ見たこともないようなものです。

あの〇〇塚古墳の壁画が有名ですが

この秘密の壁画と比べたら


月とすっぽん、、ですね。

〇〇塚壁画が、、チャチに見えて


子供だましに見えて、、仕方がないですよ。



もしこれが公表されたら?


即、、国宝でしょうね。


石室の中央には2メートルほどの石棺がでんとおいてあり

蓋は開けられておりませんので中の様子はわかりません。

おそらくたたりを恐れた先祖は石棺には手を触れなかったのでしょう。


私も恐れ多いので石棺には手を触れません。


それにしても石室の天井には星辰が今もきらめき


これは金泥?銀泥?のような顔料で書かれているのでしょうか?


懐中電灯を照らすと今でもキラキラ光るのです。


まさに壮観としか言いようのない光景ですね。


私と父は深々と一礼して

参道を戻り

外へ出ました。


それにしても?

なぜいまだに秘密にしてるのかって?

さあ


先祖の遺言。


というか今、、公にする理由がない、、


というかマスコミが騒動を起こすのが煩わしい、


インタビューとか

私はごめんですね。


静かに暮らしたいだけですよ。


というわけでこの壮麗な古墳はいまだに


誰も知らないままなのです。


私を除いては、、


誰もこんな素晴らしい古墳壁画が日本にあるなんて


誰も知らないのです。


おそらくこれからも


永久に、、、ね。


というのは私は独身で、、


家族はいないし


兄弟もいませんし、


遠い親類はいますが、、彼らはこのことは知る由もありませんからね。


老いた母はいまだ健在ですが


その母もやがて亡くなり


そうしてこの私の死ねば


この古墳の秘密は、、、



また永久に秘密として閉ざされたままで


誰知らずに



この裏山にひっそりと眠り続けるのでしょう。





終り

















㊟この物語はフィクションです。









お知らせ


私の作品で、、続き物、連作、シリーズものを、すべてお読みになりたい場合には、「小説家になろう」サイトのトップページにある「小説検索」の欄に、読みたい連作シリーズ作品群の「共通タイトル名」を入力して検索すれば、全作品が表示されますので、たやすくお読みになれます。












































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