1話「ダメダメで死んで異世界転移」
俺の名前は、浅野 玲二
どんなに努力しても報われないそんな人間である、
学校のテストで前日まで猛勉強しても、勉強したとこ以外から問題が出て勉強の意味が無くなり、迷子で泣いてる子供を助けようとしたら警官に誘拐と間違われ恐喝で金を盗られそうになってる人を助けようと声をかけたら、盗られそうになってた人が逃げて、
自分が恐喝のターゲットになって、
ボコボコに殴られ、さらに財布の中身を全て盗られた
この世は理不尽だ。
今日も財布を盗られボコ殴りにさて
今家に帰る途中だ。ふと空を見て
「何で俺だけこんな目にあわないといけないんだ」
世界の理不尽に絶望しながら呟いたその言葉は虚しく空に響く
「ぐっ!!」
突然胸が痛くなり苦しくなる、息をしようとしても胸が痛くなるだけでうまく呼吸ができない。
徐々に目が霞んでいく。
「ぐぅ・・・な・・んで、俺・・ばっかり」
ドサッ・・・・
薄れゆく意識の中俺は、今まで人生を思い出していた
(俺は、こんなとこで一人誰にも気付かれないで一人で死ぬのかな)
やがて完全に心臓が止まり、虚しさの中俺はこの世を去ったのだ。
「で、俺は死んだんだよな?ここはどこなんだよーーーーーーー!!!!?」
俺は真っ白な空間にいた。
360度上下右左どこを見ても真っ白だ。
「ちょっとそこの君」
どこからか声が聞こえる
「誰だ!どこにいる!」
見渡しても誰もいない
「ここじゃよここ」
すると目の前にスゥーっと老人が姿を現した。
「さっきの声はあんたか」
「初見であんたとは失礼だな!」
老人が怒ってる、あんたって言われたのが、嫌だったのかな?
「じゃあ、おじいさんここは何処ですか?」
「ん?ここは無の空間、世界の間じゃよ、そして儂は世界神ネルメイヤという」
・・・は?
「ちょっ、ちょっと待って!え?何!?世界神?無の空間?世界の間?」
(何言っているんだ?この老人は、馬鹿か?)
「馬鹿とは失礼な!」
(え?今俺は喋って無いぞ?まさか心を読んだのか?)
ネルメイアと名のるおじおさんは、はぁ、っとため息をして、いい放つ。
「そのとうりじゃよ」
(マジか!!・・・ん?)
「じゃあ何で俺はこんなとこにいんだよ!」
ネルメイアは困った顔でこっちを見ている。
「それはじゃな簡単に言ってしまえば、儂がお主を間違って殺してしまったのじゃ」
(え?な・・・なに!?)
「え?じゃあ俺はあんたのせいで死んだのか!?」
申し訳なさそうにすまんと言ってきた。
「儂が間違って殺してしまったため、特別にここにお主を呼んだのじゃ」
「はぁ?いったい何のために、・・・もしかして生き返らしてくれるとかか?」
申し訳なさそうにそれは無理だと言った。
「じゃあ何で呼んだんだよ!」
「ちょっと待つのじゃ!そう、怒らんでくれないかのう?1つ提案があるのじゃ、お主は異世界と言うものに興味はないか?」
ネルメイアは問いかけるように此方を伺っている
(・・・は?異世界?)
「どういうことだ?」
「お主を異世界に送ることなら出来るのじゃよ」
(マジか!異世界か、う~んどうしようか。
前の世界ではいい思い出が無いからな~
両親は俺が小さい頃に死んでしまったし。
祖父祖母も居ない一人暮らしだったからな~
・・・・うん、思い残すことは何も無いな)
俺は1つの答を出してネルメイアに向きなをった。
「ネルメイアさん、その異世界ってどんな世界なんだ?」
ネルメイアはゴホンッと咳払いをして説明を始めた。
「世界の名はムンドゥウス、魔法が存在し魔獣や凶悪なモンスターが存在する世界じゃ、そしてギルドと言う場所があり冒険者と言う者もいる」
(テンプレ異世界キターーーーー!!!)
ネルメイアは怪訝そうな顔をしている。
「テンプレ?何じゃそれは?」
ネルメイアは人の心を読み(勝手に)呟いた。
「あー、えーっと気にしないでください」
「そうか?わかった、あとお主には贈り物がある、行く先は異世界じゃ、お主の言葉は通じんじゃろう、そこでお主に異世界の知識を渡そう」
そう言ってネルメイアは俺の頭に手を乗せた
その瞬間頭の中に何かが流れ込んで来るのが感覚的に感じた。
「これで、異世界言語、異世界文字を扱えるはずじゃ、それともう1つお主に贈り物がある、異世界に行ってすぐ死んでしまっては困るからのう、お主には特別な能力を与えよう何がいい?」
ネルメイアは間違って殺してしまったお詫びに、
特別な能力をくれると言ってきた。
「その、能力って制限はありますか?」
「そうじゃな~・・・例えば一瞬で世界を滅ぼす力とかじゃな、さすがに滅ぼされたら困るのじゃ」
そう言ってネルメイアは苦笑いをした。
流石にそんなもの欲しくないとレイジは思った。
「いやいやいやいや、そんな力あっても絶対使いませんよ?ん~そうですね~・・・じゃあチート下さい」
「んむ?チートとは?」
ネルメイアは初めて聞く単語にハテナマークを浮かべていた。てか神ならそんぐらいわかれよと思いそうだったが、すぐに頭から消した。
「一瞬失礼なこと考えなかったかの?」
ネルメイアはジト目で此方を見てる。
「気のせいっすよ?」
ネルメイアはすごく鋭く突っ込むので、レイジは内心じゃっかん焦った。
「むぅ・・・まぁよかろう」
不機嫌な顔をしながらもなんとか納得してくれた。
「それで、チートのことですよね?チートとは理不尽なまでの力の総称です(レイジの感覚では)。あっ、ある程度一部の制限付で、さすがに間違って世界滅亡は嫌ですから」
笑ってもそう言うとゼウスは了承してくれた。
「わかった、では能力を与えよう」
ネルメイアは俺に手をかざし光を放つ。
ふよふよしていてなんだか暖かさがある。
「言っておくがくれぐれも力を過信するな、
過信すれば力に飲み込まれよう。飲み込まれたら破壊と快楽だけを求める鬼人になってしまう。
力は注意して使うように。では世界に飛ばすぞ、
新しい世界でどうか幸せになれるように祈っとるぞ」
そう言ってネルメイアが手を俺に向けてかざすと俺は光に包まれた。俺は眩しい光に目を閉じた。
※※※※※
しばらく経って眩しかった光が弱まるのを感じたので目を開けてみたらそこは森の中だった。
「ほぁ~、ここが異世界かーあまり実感が無いなー森の中のせいかな?まぁ、とりあえず進んでみるか」
※※※※※
森の中を歩いて大体30分位が経過した。
「いつになったら森を抜けれんだ?ん?人の・・声?向こうから聞こえるな。人に会えるかもしれないし、森から出られるかもしれない。ちょっと行ってみるか」
俺は声がする方向に歩きだした。
ある程度の声がハッキリ聞こえるとこまで来てみたら
「キャーーーーー!!」
(なっ!?悲鳴だと?)
聞こえてきた女の悲鳴に驚いたがすぐに俺は悲鳴がする方へと走り出した。
〈一方悲鳴をあげた女は〉
「いや!来ないで!」
「まってよーお嬢ちゃん」
「逃げないで俺達と気持ちいいことしよーぜ?」
10代位と思われる少女が男達から逃げていた。
「お頭あの嬢ちゃん捕まえたら好きにしていいんすよね?」
お頭と呼ばれた大男が俺達との前に出た。
「キヒヒヒヒ、あぁ良いぜ、だが最初に味見すんのは俺だかんな?」
少女は森の中を男達から逃げるために必死に走っていたが木の枝に躓いて、足を挫いてしまった。
「うっ・・・くぅ」
挫いてしまった足を抱えながら地面に伏せていると男達はおいついてしまった。
「キヒヒヒヒ、追い詰めたぞ~?」
女性追いかけていた大男は、少女をなめ回すように見たあと、下品な笑い声をあげて言った
「グヒヒヒヒ、たっぷりねっとりと可愛がってあげるからね~、大人しくしないと~~可愛いお顔に傷が付いちゃうよ~~キヒヒヒヒ」
「ひっ!」
少女は青ざめて震えていた。
「ひぃ!いや!来ないで!!」
大男が少女に触れようとした瞬間。
「ちょーっと待ったーーーーー!」
大男の顔面に玲二はドロップキックをお見舞いした。
「グハっ!!」
大柄な男性は数十メートルぶっ飛んで木に衝突して止まった。
「お頭!」
「大丈夫ですか?お頭!」
男達がお頭と言われる人物に駆け寄っていった。
(おお、チートスゲーな自分よりデカイ男性を蹴りで吹っ飛ばせるなんて)
隣を見ると怯えた様子の少女が座っていた。
髪は金髪でロング腰ぐらいまである。
目の色は赤い、燃え盛る炎のようだ。
身長は145位かな?
少女に近づき優しい声で話しかけた。
「大丈夫かい?怪我は無い?ん?足を挫いているじゃないかちょっと触るよ」
そう言って挫いているであろう足に触れた。
「ツッ!!」
「これはひどい今治してあげるからね」
捻挫した足に手をかざし呪文を唱えた。
『彼の者の怪我を癒せ、ヒール』
すると少女の足の腫れは瞬時に治った。
「え?あ・・あり・・・がとう」
少女はポカンとしか表情でお礼を言ってきた。
「ん?いいってことよ」
(神様の異世界知識初めて使ったけど魔法って俺にも使えるんだなー)
神様からの異世界知識とチートのお陰で俺は使えない魔法は無いのだ。普通魔法とは小さい頃から何年も練習して初めて使えるものなのだ。しかも魔法には属性と言うものがあり、1人1つの属性を持っているのが普通であり2つ属性を持つ者は希で、3つ以上ましてや全属性全魔法が使えるのはこの世に俺以外居ないのである。まさにTHEチートだな(笑)
そんなことを考えてたらリーダーと思わしき人物が起き上がって。
「ぐぅ、痛てーだろーが!やんのか?テメェ!」
そう言ってこっち手をかざし、男は呪文詠唱をした。
『貫け大地の槍!アースランス!!』
地面から土の槍が一直線に飛んできた。
「ぬおっ!!」
俺はとっさに右によけたら土の槍が頬をかすめた。
(うわー今のはヤバかった)
「チッ!避けんじゃねーよ!」
大男は悔しそうに悪態をついた。
「野郎共!!やっちまえ!」
男の掛け声により、男達が一斉にかかってきた。
(ひぃ~ふぅ~みぃ~・・・うわー20人も居るのか。う~ん戦いをむやみに伸ばさない方がいいよな)
俺は地面に向けて手をかざし呪文詠唱した。
『敵を捕らえよ!鉄の拘束、スティールバインド』
鉄の拘束具が男達に巻き付いた。
「ぐっなんだこれ動けねぇ!」
「うわ!」
「ぐぅ!離せ!」
「ほれ!更に追加!」
『押し潰せ!大地の金槌、アースハンマー』
大きな土でできたハンマーをリーダーと思われる男以外の頭に降り下ろした。
「やっ!やめ!」
グシャ!!!
リーダー以外の男達の頭はトマトのように潰れ、血が吹き出す。
リーダー以外のスティールバインドを解除してやると、糸の切れた人形のごとく全員倒れた。
(異世界初の人殺しをしてしまった。まぁ、いいや相手も盗賊ぽかったし、殺らなければ殺られる異世界ってそんなとこだし)
死んで動かなくなった仲間を見て絶句している男を見ていると少女がこちらへ走ってきた。
「あっ、あの!ありがとうございます!危ないところを助けていただいて、何とお礼をしたら」
少女はじゃっかん頬を赤らめて(?)お礼を言ってきた。
「あー、ならこの森から出る道を教えてくんないかな?俺さ迷子になっちゃってさ」
笑いながらそう言うと。少女は嬉しそうに返事をした。
「はい!あ、私の名前はエリス、エリス・シュワルツ・ジャンヌダルクと言います」
(ほぉ、このまさ名前は確か異世界知識によると)
「君は王女様だったんだね」
「はい、ヴァルキリアス皇国国王オルガ・S・ジャンヌダルクの一人娘です。ん?私が王族と知っても余り驚かないようですね?不思議なお方」
エリスと名のる人物は不思議なものを見るように首を傾けている。
「ん、まぁ、そうか・・エリスこれからよろしく」
エリスは頬を赤らめながら(?)、口を開いた。
「どうか、エリと呼んでください」
「ん、良いのか?一国の姫を呼び捨てにして」
「私が良いと言ったら良いのです」
「わかったエリ、俺の名前は玲二って言う」
「レイジ様いい名前ですね♪」
エリは小さくフフっと笑った。
「様なんてやめてくれよなんか背中がムズムズする」
「ですが、命を助けて頂いたお方に呼び捨てなど、
ジャンヌ家の恥です!」
小ぶりながらもしっかりと膨らみのある胸を張りいい放つその姿は(あぁ、王族だな)と思わせる程の威厳があった。
「わかった。だが、もっと他の呼び方は無いのか?」
「ええ~と、じゃあ、レイジさん?」
首を少し傾けて少し困った顔でエリは俺の方を見てきた不覚ながら俺は心を鷲掴みにされた。
「うっ、まぁそれならまだいい方だな」
するとエリはパァと笑顔になった。
「レイジさん!レイジさんはどこの生まれなんでしょうか?こんなに綺麗な黒髪、黒目の人は今まで一度も見たことがありません」
(あっちゃ~どうしよう、いきなり「異世界から来ました!」はおかしいよな~?)
「えぇっと、ずっと南にある小さな孤島で暮らしてたんだよ。俺は孤児で、その孤島でじいちゃんと二人暮らしをしていたんだ。もしかすると俺の一族は滅びたのかもしんねぇし。黒髪、黒目はもう俺だけかもしれない、そこは余りわからないね」
話を聞いたとたん、エリは聞いてはいけないことを聞いてしまったというふうになってしまった。
「ごめん・・・なさい、変なことを聞いてしまって」
エリは、ばつの悪い顔で謝った。
「いや、いいんだよ、過ぎたことだし、そんときはまだ俺は赤ちゃんだったしわかんないんだよ感覚が」
(まぁ、全部嘘だからこっちが心苦しくなってきたし)
エリは少しだけ楽になったようだ。
(はぁ、一段落だな・・・・って、じゃない)
「アイツ忘れてた。なぁ、エリ、あの盗賊どうする?いちようリーダーだけ残したけど、殺すか?」
「いえ、王国まで連れていきましょ?私的にもこの男に聞きたいことがあるので王国で拷問に掛けます」
(ふむ、盗賊は国に渡すそれが普通か)
(ん?あれ?そういえば)
「何で王族であるエリがこんな森の中に居るんだ?」
話を切り出したら。エリは表情を暗くした。
「ええ、私はある国と和平を築くためにその国へ向かって会談が終わり帰ってくるとこでした。その時に私が乗る馬車が盗賊襲われたのです。私は必死に逃げて森の中に入りました。そこで私は追い詰められたのですが、レイジさんに助けて頂いたのです」
「そうか、エリは盗賊に何を聞くんだ?」
「普段はこの森には盗賊が出ると言う報告はありません。しかもタイミングが良すぎるのです」
「それがどうしたと言うんだ?」
「ちょっと私の国の話をしましょうか、私の国は和平をある国と結んだのは話しましたよね?和平を結んだ国は亜人国なのです。亜人は一部の貴族からすごく嫌われています。それで国の一部の貴族は和平に反発していました。ですが和平を推進するのは平民の方が断然多かったのです。ですがある日和平運動をしていた平民が謎の死をとげました。それからというもの、和平口にした平民は次々と謎の死をとげました。それから和平を口にする者は居なくなってきました。お父様はこの状況を重く見て悩みの末、貴族を押しきり和平を結びました」
(ふーんきな臭い話になってきたな)
「貴族の中に盗賊をけしかけた奴がいるとエリは思っているんだね?」
重々しい雰囲気の中エリは静かに頷いた。
馬車が通る場所を知っているのは王族と一部の貴族だけだ。となると一番怪しいのはエリがよく知る人物だけとなる。エリの瞳には信じたくないが、それが事実だと映っている。
「そうか、まぁ、なんだ、その・・・まずは王国まで俺を連れていってくれエリ!」
とびっきりの笑顔で言うと、エリは目を擦り顔をあげた。
「ハイ!行きましょう、レイジさん」
エリは少し潤んだ目を擦り元気に言った。
そして俺達は森を抜け王国へと足を進めるのであった
これから始まるのである俺の異世界旅行は!!
レイジは青空の下再度この異世界で生きていくんだと決意するのであった。