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第二幕〜少年と大荒れ会議〜

「影丸!わしゃあ、我慢の限界じゃ!これ以上、奴にわしらのシマで好き勝手されてはたまらん!」

「あっしもそろそろ限界じゃあ。あそこまでされとるのに何も反撃せんというのは無理というものぞ?」

「だから待てというとるであろう!今は、奴もこの世界に来て日が浅い。まだこの世界のルールを理解できず、興奮状態に違いない。それを刺激するのは、火に油を注ぐようなものだぞ!?」


「影丸、日に日に会議が荒れてきておる。そろそろ何とかせんと内輪もめになってしまうぞ?」

「もーなってるけどね。これはこれで面白い」

「何を言うておる!このままでは……!」

「わかってるって。流石のオイラも、あそこまでやりたい放題やられていて平気なわけがないよ。この墓地で悪戯をしていいのはこのオイラだけと決まってるんだ」

「誰がそんなことを決めたんじゃい…」

「しかし、どうしたらいいのかなぁ。少し遠出をして他のシマから現代を生きた者達の協力を頼んでみるかなぁ?」

「他のシマに自分のシマの揉め事の収集をさせるとな?まったく、これだからこのシマは他よりも低く見られるんじゃ」

「それもこれも影丸、お主が…」

「わぁーかったって!いちいち言わなくていいだろ。めんどくさい…」

『影丸!』


 何だかよくわからないけど、かなり修羅場になっているということだけは唯でも感じ取れた。

(あんまりいちゃいけない雰囲気みたい。それにしても…)

 唯は墓石の影から、もう一度『影丸』と呼ばれた男を覗いた。

「何あの子?どう考えても普通の男の子じゃない?あんなところで何してるのよ?」

 影丸と呼ばれている少年は外見だけで見れば唯よりも二つか三つほど年下で、本人も言っていたようにかなり悪戯好きそうな顔立ちをしている。まだまだ遊び盛りの少年という表現がピッタリあう少年だった。

さらによく見ると、影丸は白い浴衣のようなものを着ていた。唯は今日、この近くで祭りがあったかどうか思い起こしてみるが、バスで帰る途中にもそんな催し物はいっさいやっていなかった。

(じゃあ、あの子は何でこんな時間にあんな服装で、しかもお墓なんかで大人の話し合いに混じって何をしているというの?)

 唯はまた、叔父と叔母への言い訳として、あの少年は自宅に送り届けていたという既成事実を立てようとしたが、すっぱり断念した。なぜなら今ここで出て行けば、自分が彼らの話し合いを盗み聞きしていたことがばれてしまうからだ。

(何だか修羅場な感じ出し、深く関わるのはよそう…)

 ただでさえ、こんな暗くて寂しい墓地に一人でいるのは辛いのだ。早く、外灯のある団地へ帰ろう。唯はそう思い、きびすを返そうとすると、何かにフッと肩を掴まれる感触を覚えた。

「………」

 後ろを向こうとした唯の全身からひやりと嫌な汗が滲んだ。


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