秘密の密談会
ここはとある墓地の一角…。
「それで影丸、例の仕事はいつやるのだ?」
「そうだなぁ。なるべく早目がいいとは思っているんだけどな…」
影丸は少し迷った表情をしながら、そう答えた。
「何々、影丸兄ちゃん!何か面白いことするの!?」
興味津々に影丸よりも少し幼い子供が尋ねる。
「こら、お前は黙っていなさい」
「ちぇ、つまんないの…」
母親に注意され、つまらなさそうに口を尖らせる。
「しかし、わしらで何とかなるかのぉ?」
「それはどういう意味だ伝兵衛?」
一同の視線が伝兵衛に向けられる。
「考えても見るがいい。あ奴は最近、あの区画の主になったと聞くではないか。わしらとは時代が違いすぎる故の今回の騒動じゃ。誤解は誤解としてきちんと話し合いで解かねばならぬのではないか?」
「かるちゃーしょっくというやつか?」
「いや、少し違うだろ…」
「似たようなものじゃろ?」
慣れない言葉を使った伝兵衛に他の面々が突っ込みを入れる。
「皆、話を元に戻せ。伝兵衛、わしらとてそれはわかっておる。それが出来ないのだから、こうして皆困っているのではないか」
『………』
一同に重い沈黙が走る。
(今日もまとまりそうになさそうだ…)
影丸は皆に気づかれぬくらいの小さなため息をついた。