コレからが本当の地獄だ……
コレ実はESで二章にやったアレを本格的に書こうとおもったんですよ
四季が目を覚ますと、森の中に倒れていた。少し開けていて、小さな湖がある。しかし、自分の知っている森とは違っている。木は妙な形をしていたり、見たこともない実をつけている。起き上がりもっとしっかり周囲を確認すると、足元にカバンと、とんでもない枚数のレポート用紙がまとめられていた。レポートの表紙には『起きたら読んでください』と書いている。四季はまったく見に覚えはないが、その大量のレポート用紙を読み始めた。
――五時間ほどかけて四季は読み終えた。もう日が落ちかけている。レポートの大まかな内容はこうなっていた。
『おはようございます。まず、あなたは死んでしまいました。ここで第二の人生をお過ごしください』
『ここはあなたのいた世界とは違います。元の世界にはもう戻れません』
『一緒においてあるバッグは自由にお使いください』
『あなたが楽しく生活できるように身体能力を強化したり、魔法が使えるようにしました』
『魔法は基本《無、火、水、土、風、光、闇》です。この世界の人間は基本できませんが、あなたは組み合わせることでさらに多彩に使えるでしょう。たとえば風に火を掛けて使うと爆発魔法の完成です。』
『あなたの前の世界での死因が爆発だったので爆発では死なないようにしました』
『この世界でならきっとモテモテですよ』
『ここまでしてあげてるのだからお願いを聞いてほしい。とりあえずコセイ帝国って言う国を消してほしい。でも仲間を集めて成長してから挑まないと軍隊にすぐ殺されちゃいます』
『近いところから進んで行くといいでしょう。まずは一番近いグルトン王国を目指しましょう』
『その後はどう進んでも構いませんがコセイ帝国は一番最後です』
この内容で大量のレポート用紙を使う必要があったのだろうかと四季は思った。だがすぐに「どうでもいいか」と言ってバッグにレポートを入れ、森を抜けるために歩き始めた。
――1時間ほど歩いただろうか。辺りはもう暗くなり、四季は「なんで夕方から行動開始しちゃったんだろうなぁ」と思いつつ、足を速めて森を抜けるためにすごく頑張った。しかし現実は非情である。
なにやらガサガサと木が揺れる音が聞こえてくる。テンプレどおりなら最初の仲間か最初の敵だ。四季は少し警戒しながら近づく。そこにいたのは大きな人型の生き物……俗に言うゴブリンと言うやつだ。ゴブリンは四季に気づいて、近くにあった太い骨を持って襲い掛かる。四季は魔法で応戦しようとしたが、できなかった。
(使い方わかんねぇ!!)
四季は襲い掛かってくるゴブリンから走って逃げていた。ゴブリンと速度は大差ないので、しばらくは追いつかれないだろう。四季は逃げながら魔法の使い方を考えた。レポートの内容を思い出してみたが、書いてなかったことしか思い出せない。魔法の使い方は国に入ってから聞けということなのか、ただ書き忘れたのか……このへんはどうでもいい。
三十分ほど走り回っているうちに他の凶暴な生き物にも追われ始め、最後には四季は木の根っこでこけてしまった。
(第二の人生終了早すぎワロタ)
四季はゴブリンやその他の生き物に囲まれて絶望していた。ゴブリンが太い骨で殴りかかってきたとき、強い風が吹いた。四季を囲っていたゴブリンやその他の生き物はその風により吹き飛んだ。四季は風の吹いてきたほうを見た。そこには暗がりでよく見えないが、人の姿があった。
慈乃「チートじゃねぇの?」
藤宮「いきなり地形を変えるのはどうかと思った」
慈乃「ハジケが足りてないぜ」
藤宮「まぁいつかきっとハジケる」