スペイン館
大屋根リングの下へと移動し、そこからどっちへ行くか話し合い、リングに沿って歩き始めた。どこへ行きたいかを聞いても厚夫はおまかせで、の一点張り。とにかく左回りに歩き出した。
すると、スペイン館が全く並んでいないのを発見。
「俺が前に来た時、長蛇の列だったよ。」
という一郎。一郎は6月に一度、独りで万博に来ていた。雨だったらしいが。
「入っちゃおうか。」
私が言うと、
「うん、入った方がいいよ。」
と一郎。みんなで階段を上る。スペイン館はまず階段。スペイン階段ってか?レストランが右下にあるみたいだが、そっちはどうやら並んでいる様子。やっぱり。
スペイン館には、本当に並ばずにすぐに入れた。スタッフが立っていて、何となく挨拶をしようと思って笑顔を向けたものの、全く無視された。おもてなし文化がスペインと日本では違うのだろうか。
中に入ったら真っ暗。足元がおぼつかない。すり足で進むと、どうやら下り坂。とても危ない。お年寄りが一人で歩いたら転ぶと思う。映像が綺麗で、日本とスペインの交流の歴史などが説明してあったり、昔の手紙が展示してあったりした。あとは、海洋の……何かの技術?理系的な話だったような。そして、ここで写真が撮れますよ、と声を掛けている人がいた。座る所がある。こんなに暗いところで?とちょっと疑問が。
更に進み、オレンジ色の部屋へ。写真がたくさんあった。そして終わり。なるほど。もし1時間も並んで入ってこれだったらちょっと……がっかりかなあ。いや、もし長時間並んで入ったなら、もっとゆっくりじっくり観たのかもしれないな。あまりにさらーっと観てしまった気がする。




