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千と八人の転生者  作者: 紗琉瑠
第一章 【終わりの始まり】
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合流

 あれからコウとの電話でこっちの方が比較的安全だからとコウの方から明日の早朝、こちらに向かうと話し合って電話を終えた。

 最後にコウは「途中でう○こしたくなったらどうすればいいんだ?」

 って聞いてきたけど無視して切った。

 一応トイレットペーパーを玄関に置いておこうと思う。




 今は夜の二十一時半。

 依然とテレビでは地割れから出てきた化け物について色々な専門家の人達が話し合っているみたいだ。


 曰く化け物達は地球外生命体で、侵略してきた宇宙人だと。

 曰く化け物達はテロリストの生物兵器だと。

 曰く化け物達は神の怒りで遣わされた神の遣いだと。


 どれも根拠のない推論ばかりだけど、粒子になるっていう不思議現象が実際に起きているから全部が全部、間違いとは言いきれないんだよね…


 そして自衛隊の人達だけど。

 地割れから出てきた化け物達を倒す事は出来ているみたいだけど、鎮圧までは出来ていないみたいで。


 何故かと言うと厄介な事に、化け物達は倒しても倒しても永遠に地割れの中から出てくるらしいのだ。

 そのせいで自衛隊の人達も犠牲者が増えてきていて、このままだと時間の問題ではないかとテレビでやっていた。


(このままだと本当にまずいな)


 今は自衛隊の人達が戦っているから大丈夫だとは思うけど。

 明日の朝はどうなっているかはわからない。早くコウと合流できれば良いのだけど…


 取り敢えず、今日は避難場所の確認と母さんが遺してくれた食料を確認して、お風呂に入って明日に備える事にした。


 お風呂も入り終わって、いざ寝ようと布団に入り目を瞑ろうとしたら雷でもなったかの如く、空が一瞬光り轟音が鳴り響く。


(な、なんだ?)


 セイジは驚いて飛び上がり、二階の窓から外の様子を見てみる。


(なんともなってない)


 それから数分と経つが何事もなかったかのように月明かりが照らす静かな夜が続くのだった。



 次の朝、あれからなにもなかったので就寝したセイジは朝の6時半に起床した。


 コウは朝の九時に家を出てこちらに向かうと言っていた。

 それまで時間があるので携帯のSNSを見たり、リュックに必要な物を再度詰め直して確認したりと備えていた。


 携帯のSNSがめちゃくちゃ繋がりにくくなっていたりテレビも殆ど映らなくなっていたりと朝になってから大分やばい事になっている。


 そして朝の九時になろうかというその時に携帯に着信が入る。

 少し途切れたりはするが電話自体はまだ使えるようだ。


「もしもし」


「おう、起きてるみたいだな」


「もちろん」


「よし、じゃあ予定通り今からそっちに行くわ」


「了解」


 確認の意味も込めて電話をすると言っていたので予定通りだ。

 じゃあな、と言ってコウとの通話を終える。








「遅い…」


 コウとの通話を終えて、あれから二時間と少し経つが未だにコウがやってくる気配がない。


(何かあったのかな)


 コウが住んでいるアパートとセイジが住んでいる家は徒歩で20分程だ。

 地割れがあった所は学校の近くって言ってたから距離的には大丈夫だと思ったけど…

 流石に遅すぎる。

 う○こするにしても長すぎるし…ケツ拭くもの探してるとか?流石に…いやコウなら有り得るけど。


 こっちから迎えに行った方がいいかな?

 もし化け物達がここら辺まできてたとして…俺に倒せるのかな?

 いや、そんな事を言っていたらこの先やってけないし。

 何よりも親友のコウの身が心配だ。


 心を落ち着かせて…よし。

 いくか!


 そう思い玄関で靴を履いて居たら。


 ピンポーン


「セイジー!拭くもんくれ!!」


 来ました。

 なんかデジャブだなー。俺の心配返せよ…

 てかやっぱりう○こかよ。よしこれからはウンコウ野郎って呼ぼう。

 う○ことコウを合わせてウンコウ野郎だ。




「で?どうする?ウンコウ」


「ウンコウ?なんだそれ。んーやっぱり手がかりになるのは地割れとあの化け物達も粒子になるってことぐらいか」


「だね」


「それだけじゃあなんともなあー」


「そういえば如月さんの事は大丈夫なの?」


「あぁ、ミオなら家族と一緒に避難所に居るって言ってたから大丈夫だろ」


「そっか、それならよかったよ」


「いっその事よ、地割れの近くに行ってみるか?今んとこ地割れぐらいしか手がかりねーし」


「流石にそれは…」


「学校の近くって言ってたし、学校の屋上に行けば見えるんじゃねーか?」


「確かに学校の屋上なら見えるかも」


 そう。俺たちが通っている高校は三階建てで屋上からの景色はとても良い。確かにあそこなら地割れも見えるだろうけど…


「問題は化け物達か」


 学校の近くに地割れが出来たって事は、化け物達もその近くにいる可能性があるって事だ。


「テレビも殆ど映らなくなったし、自衛隊の人達がまだ持ち堪えていれば地割れがある所を遠くから見れるんだがな」


 昨日の夜に、雷の様な光と轟音が響いた後からテレビが殆ど映らなくなったのだ。今では携帯も殆どのSNSが使えなくなっている。


「それに食料もこのままだと2週間分ぐらいしかないからどこかで補充しなくちゃ」


 母が買ってきてくれていた食料は、1週間分だけど切り詰めれば家にある食料とで2週間はもつと思う。

 それでも少ないから何処かで補充をしなくてはならないのだ。


「化け物は俺の神剣があるからいいとして。食料はすぐそこのスーパーと学校の近くにあるコンビニに帰り拠ればばいいだろ。やってたらだが」


「じゃあ化け物はコウに押し付けるとして、食料を詰めるリュックとか余分に持っていくよ」


 決まりだね!


「ま、待ってくれ親友!やっぱり一緒に戦ってくれ!お前と手を組まないと化け物共は倒せないんだ!」


「えー、ウンコウ野郎と手を組むと手が…汚れる」


「洗ったわ!!!」


 そしてセイジとコウは手がかりを探す為、地割れの方へと向かうのだった。



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