表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千と八人の転生者  作者: 紗琉瑠
第二章【始まりの冒険と精霊】
26/54

魔法の真髄

 五日目を迎えた。

 ここに居られるのも残り僅か。

 少し寂しいけど、契約によって固有スキルが発現した者は国に報告をしなくてはいけない。


 なのでセトさんもどうする事も出来ないと言っていた。

 俺のもっている固有スキル【召喚魔法】は特殊らしいし、二つも固有スキルを持っていたら必ず、飼い殺しにされるだろうと言っていた。


 ヘイム王国の王『ヘイム・ヴァルシオン』は余程、戦力が欲しいんだそう。




 今日は、魔法紙を通常の物に変えて練習する事になる。


 その後、通常の奴でも問題ないと判断したら次のステップだ。


【ライトキュア】と【癒しの記憶】だね。



「では通常の魔法紙で【ライトヒーリング】を使ってみてください」


「わかったー」


 昨日は、魔力が流しやすい魔力紙で魔法を使った。

 通常の奴じゃないと、効果自体が殆どないので意味はない。


 前に貰った光属性の魔法紙を左手に持って、右手は翳す。


 後は昨日と同じで、声に魔力を載せながら詠唱をする。


「命の灯火よ。安らぐ命に再び立ち上がる火を。燃え盛る命を。彼の者に生命の癒しを与えたまえ。【ライトヒーリング】」


 少し魔力が流しにくかったけど、無事に発動した。


「いいですね」


「後、何回ほど使えそうかわかりますか?」


 何回使えるか、か。

 魔力はまだまだ余裕があると思う。


 このぶんだと後は…


「三十はいける…かな?たぶん」


「三十もですか…」


 多いのかな?


「魔力は歳を重ねる事に増えていくと言われています。

 後は魔力を使えば使う程増えるのだそうです。但し、魔力量はその人によって限界値があるので増えなくなったらそれが限界という事ですね」


 なるほど。


「例外的に増える事も多々あるそうなので、あまり深く悩んではいけませんよ」


「はーい」


 ま、悩む必要は今の所ないかな。

 魔法殆ど使えないし。


 そういえば。

 固有スキルの【召喚魔法】は魔力とか使った感じしないんだけど。


 あれはどういう事なんだろ。

 うさちゃんを召喚するだけなら殆ど魔力使わないのかな?

 うさちゃん自体、手のひらサイズでちっちゃいから殆ど、魔力を使わないのかもしれない。


 うさちゃん以外にも召喚できないかと何回か試してみたけど全くダメだった。

 これは、魔力量が原因なのかもわかっていないので八方塞がりだ。


 流石にうさちゃんだけって事はないと思うんだけどね。

 まぁうさちゃんだけでもいいんだけどね!

 かわいいし!

 魔法使えるし!

 動けないけど透明になれるし!(時間制限あった)




 さて。そんな事より【ライトキュア】と【癒しの記憶】の練習練習。



「じゃあ【ライトキュア】の魔法使うね」


「ええ。お願いします」


 そう言ってセトさんに向かって手を翳す。

 まあセトさんはストレスなんて無さそうだけど…いやあるな。

 俺に魔法当ててきてたわ。


 あれストレスでしょ。

 わかってるんだからね!


「穢れし身体よ。彼の者に精神の安らぎを。我、心を癒し魂の安らぎを与える者。【ライトキュア】」


 やる事は治癒魔法と同じなので意外と簡単に発動した。

 まあ下級魔法だからだろうけどね。


「どう?」


「いいですね」


 成功したみたいだ。


 よしよし、この調子で【癒しの記憶】もやってみよう。


「苦痛に苦しむ者よ。我、汝を苦痛から解放せし者。幻覚を用いて汝は解放される。

 彼の者に安らぎの時間を。【癒しの記憶】」


 あれ?発動しない…

 魔力は足りてると思うんだけど…


「【癒しの記憶】は声に魔力を載せる時、少しづつ魔力を流してやってみて下さい。後、魔力を魔法紙に流す時、少し雑になっていたのも原因ですね」


 むむ。いきなり難易度あがってない?


「むずかしい…」


「はは、そうですね。ですが上の魔法になるにつれてもっと難しくなっていきますよ」


 それもそうか。流石に詠唱と魔法紙に魔力をただ流すだけで魔法が発動していたら苦労はしないよね。


「それに中級魔法までは魔力を流すだけで発動しますが、上級以上になると魔法紙では発動しなくなります。上級以上の魔法は魔法紙では魔力が多すぎて耐えられないからですね」


「え、じゃあどうするの?」


 それだと発動自体出来なくないか?


「上級以上は私も知識だけしか知りませんが。

 詠唱をしながら、空中に魔力で魔法陣を描きそれに上級レベルの魔力を流すと発動するみたいです。しかも魔法陣が上級以上の魔力を流しても破損しない強度の魔法陣を描かなくてはいけません」


 え、なにそれ。


 そんなの出来る気がしないんだけど…

 なに?空中に魔力を描くって。


「上級はむり?」


「いえいえ。練習すれば君なら出来るはずですよ」


 いや、ま、まあ?

 俺ってば『治癒魔法の才』(帝)だし?

 帝級の治癒魔法使えないと話にならないし?

 よゆーよゆー。



「因みに帝級以上の魔法には一つ一つにそれ専用の魔法陣があるとかないとか」


 無理だろ。

 なんでだよ。

 いきなり難易度あがりすきでしょ。


 え?なに。魔法ってそんな難しい技術なの?



 それから何度か【癒しの記憶】を練習して発動出来るようになった。


 これで下級の治癒魔法が全て使える事になる。

 まあ三つだけど。


 


夜、寝る前に魔法陣の暗記をしていた。


そろそろ寝ましょうか。そう言われてベッドにセトさんと入る。


毎日、寝る前はセトさんと少しお話をする事になっている。

今日はどんな話をしてくれるのか楽しみだ。


「魔法には階級がありますよね」


「うん」


「実は聖級以上の魔法も存在するらしいのですよ」


「え、それってもう人間じゃ発動できないんじゃ…」


「あはは。確かに難しいでしょうね」


「どんな魔法なの?」


「さあ。僕も噂でしか聞いた事はありませんから」


「ただ、」


「ただ?」


「聖級の上の階級は『天災級』と呼ばれるそうです」


「『天災級』…すごい」


『天災級』。文字通り天災なんだろうな。

使えるようになったとしてもまず、使えない魔法だね。


そんな話をして今日は就寝した。



明日は中級の治癒魔法を練習する日だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ