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52話 他視点



「竜王の様子はどうだ?」


 大神殿の大司教の部屋で大司教が部下の司教に尋ねる。


「はっ、どうやらかなり痛みがでてきたようです。

 以前は薬を飲みに、聖室に出向いてきましたが、すでに自室で飲むのが精いっぱいのようで。

 薬を飲むときも衰弱して医者に介抱して飲ませてもらっている状態です。

 すでに番であるはずのソフィア様すら部屋に入れない状態だとか。

 それでも頑なに聖獣キュイを渡すのを拒んでおります」


「そうか。ならそろそろだ」


「……は?」


「なんでもない。私はこれから儀式にはいる。

 今日から三日。誰も部屋にいれるな」


「はっ」


 司教が頭をさげて、そのまま部屋を去ると大司教は嬉しそうに笑みを浮かべた。


(やっとあの小生意気なガキを我々に従わせることができる)


 この800年。竜王国を守り育ててきた竜神官に反抗的だった王族ルヴァイス。

 いままで竜神官に従順だったはずの竜王が竜神官に反抗しはじめたのはルヴァイスの父の代からだった。父にあこがれていたルヴァイスもルヴァイスの弟ラディスも、竜神官に反抗的で、本来なら竜神官の大司教の承認がなければ王位につけるはずもなかったのだが、竜王国に魔獣が湧いたことですべてが狂った。

 魔獣を倒した竜王の威厳は増し、逆に神に仕える身でありながら魔獣復活を許し、対処できなかった神殿の権威は落ちてしまったのだ。

 それが故魔獣を倒した功績に竜王にルヴァイスがなってしまった。

 竜神官に反抗的なルヴァイスが。


 だが、それも今日で終わりだ。

 あれの飲んでいる薬に秘薬をまぜておいた。

 そもそも加護のあるもので鑑定では害のあるものを判定はされないが、その加護の力を神に仕えるものが同調させれば飲ませたものの精神の中に入れる。

 

 ルヴァイスの普段の精神状態ならそのようなこともできない事が、今の状態のルヴァイスならそれも可能になるだろう。


 あの生意気なガキを服従させ、私の操り人形にしてみせる。


 そう言って大司教は儀式をはじめるのだった。




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