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47話 他視点

 


「ジャイル、【聖薬】を何とかソフィア様の力で作ることをできませんか?」


 ジャイルの研究室で、テオが問う。

 テオはルヴァイスとソフィアの部屋の警護を竜王直属の精鋭部隊に任せ、各々の部屋に竜神官たちがはいれぬように結界をはったあと、その足でテオはジャイルのもとにきていた。


「【聖薬】なら竜神官達に頼めばいい話だが、何かあったのか?」


「……ソフィア様を迎え入れた嫌がらせに、【聖薬】の原料の薬草がとれぬと量を減らしてきました」


「ああ、なるほど。そういえばルヴァイス様の嫁にと、竜神官の血族のものをしきりに勧めていたし、人間でしかもリザイア家となればあいつらからしたら面白くないだろうな」


「はい。何度も竜神官達と交渉するようには進言しているのですが、ソフィア様に不利な条件をつけてくるからと、交渉していないため、薬の量が減ったままなのです。

 昼間はまだいいのですが、夜は毎夜うなされている様子で……

 このままの状況が続けば、呪いの進行がはやくなってしまう恐れがあります」


「キュイ様に頼むことはできないのか?」


「ルヴァイス様の呪いは直に聖気をあてると、余計悪化します。

 そういった呪いらしく……。

 そのため【聖薬】で体内から流し込んでいると聞きます」


「しかし難しいぞ。【聖薬】の原料さえ手に入れれば作ることができるかもしないが。

 あれは竜神官が厳重に管理していて、薬すら竜神官が手渡したものをその場で飲まないといけない。

 現物が手に入らないんだ。

 原料も現物もわからない状態でつくれというのはさすが……」


 ジャイルが言いかけて急にテオの顔が険しくなったのを見て、途中で言葉を止めた。

 テオが剣を手に持ち構え、後ろに振り向く。


「そこにいるのは誰ですか?」


 そうテオが剣を向けた先には、誰もいない。


「テオ?」


 ジャイルが名を呼ぶがテオの表情は険しいままだ。


「誰かいます」


「誰かって……」


 そういってジャイルがテオの剣の先に視線を向けると……「キュイー」という声とともにソフィアが姿を現すのだった。




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