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34話 お話



「あー」


 わたしはルヴァイス様と食事をする部屋で、クレアさんに入れてもらったお茶を飲んで、はーっとため息をついた。

 キュイも真似して「キュイー」って言う。


 研究所での時間はあっという間にすぎて、いまは宮殿に戻っている。

 今日はなんだかいろいろありすぎて、ソワソワする。


 研究所のいろいろな施設を見せてもらって、たくさんの頭のいい人達の仕事を見せてもらった。

 一定の温度や湿度、聖気や瘴気で作物を育てる環境を整える設備。

 聖気をどれくらい消費したのか測る装置。

 毒性がないか調べる装置、そのほかにも果物の甘さを図る装置とかすごい夢のような器械がいっぱいあった。

 きっとレイゼルさんがいたら喜んでくれたと思う。


 レイゼルさんももっとちゃんと施設なら……ってつぶやいていたのを聞いた事がある。

 今ならレイゼルさんの気持ちがすごくわかるんだ。


 出来た作物の数値を機械で測ってちゃんと見れて、聖気がどれだけ消費されてるかのグラフを見せてもらった時は本当に感動したもの。

 漠然としていたものがちゃんと目でわかる。これは本当に凄い事。

 どれが成功してどれが失敗だったかが一目でわかるんだよ!

 レイゼルさんはどれが成功でどれか失敗したのか調べるために、また栽培をしてすごく時間がかかってた。

 でもそれも短縮できる。

 聖気の消費量と収穫量をバランスよく配合したものを選りすぐることも出来る。


 ここでなら聖気の必要のない作物だって作れるはず!

 私には難しくてできなかったものもみんなが作ってくれる!!

 レイゼルさんの夢も叶う!!


 それを考えただけで、胸がいっぱいになるんだ。

 キュイも果物を食べながらよかったねって言ってくれるの。


「ずいぶん嬉しそうだな」

 

 一緒に食事をしていたルヴァイス様が言うから、わたしは頷いた。

 『今日はいっぱい凄い事があった!!』って書いたら、「では食後にその話でも聞かせてもらおうか」って言ってくれる。


『お話聞いてくれるの?』


「たとえ契約上だとはいえ、夫婦になるのだから、互いを理解することは重要だ」


 そう言ってくれて、私は顔が赤くなる。

 ルヴァイス様は大好き。たとえ仮初でそこに愛のない夫婦だとしても、ちゃんと私のことを大事にしてくれる。お話を嫌がらずに聞いてくれるから大好き。


 私はありがとうのポーズをとって食事を食べるの。

 はやく食べ終えて今日あったことを報告しなきゃ。


「きゅいー♪」


 ってキュイも一緒にスピードを速めてご飯を食べる。

 みんなで食べる食事は美味しいねキュイ。




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