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23話 甘い言葉


「愛しているよ。ソフィア」

 

 ルヴァイス様の甘いささやき。

 ルヴァイス様は顔も綺麗で声もすごく澄んでいてきれいな声でそう言われるだけで赤くなる。

 大勢の人の前で抱っこされて耳元でささやかれ、ほっぺに軽くキスをされる。

 それがとっても恥ずかしくて、すっごく顔が赤くなっちゃうのにルヴァイス様はそれでも私のおでこにキスをしてくれた。

 

 これは夢かな。

 こんなに人に好きとか愛してるとか言われちゃうと、演技だってわかっていても恥ずかしすぎて死にそうになる。

 

 レイゼルさんがいなくてさみしすぎて、夢を見ているのかもしれない。


 そうだ!きっとこれは夢だ!

 だって私みたいなお母さまにも愛してもらえない茶髪のみすぼらしい子が演技だとしてもこんなに大事にしてもらえるわけないもの。


 きっと起きたら、いつもの硬い布のベッドで、いつもみたいにレイゼルさんを待つ毎日がはじまるんだ。


 でも、なんでこんなにふわふわふわしているのかな。

 なんだか雲の上に寝ているみたいな、ほわほわなベッドの感覚に違和感を覚える。


 ……あれ?私はどうしたんだっけ。


 キュイが「キュイー」って私のほっぺを舐めた。

 

 ……そうだ!お風呂のあとマッサージをしてもらったらそのまま寝ちゃったんだ!

 私はがばぁって起き上がると、私は豪華なベッドの上にいた。



 ……夢じゃなかった?

 私が起きると、優しそうな女のメイド服を着た人が微笑んでくれて


「おはようございます。ソフィア様」


 って言うの。

 名前はクレアさんって言って、私のお世話をしてくれる人なんだって。

 私が「あー」って頭を下げたらクレアさんが微笑んでくれて。


「筆記の道具をご用意しました。会話をして伝えたいことがあるときはこれに書いてください。私が常にソフィア様の側にいるので、筆記用具が必要な時はおっしゃってくださいね」


 そう言うと高価な紙とペンを渡してくれる。

 すごい、これはずっとほしかったペンだ!

 魔道具でずっと書けるの!すごい欲しかったの!ありがとう!!


 私がさっそくありがとうって紙に書いていうと、クレアさんは笑ってくれた。


「ソフィア様お礼の時はこのように手を前で合わせると、我が国では「ありがとう」という意味になります。紙に書くのが大変でしたらこちらを御使いください」


 胸の前で右手をパーで左手をグーで合わせるポーズをとって言うの。

 そっか、これならいちいち紙に書かなくていいからすぐできるね。

 私は早速そのポーズをしてみると、クレアさんが微笑んでくれた。


 そういえばキュイはどうしたのかな?

 さっきまで私のほっぺを舐めていたのに姿が見えない。


「きゅいー♪」


 窓の側でキュイがもらった果実のジュースを嬉しそうに飲んでいた。


「ソフィア様も朝食のお時間になります。お洋服を着替えましょう」


 クレアさんの言葉に私はうんうんと頷いた。


 かわいい!

 鏡に映った自分の姿を見て、私は感動する。

 私が着せてもらえたのはとっても可愛い赤いリボンとかがついたドレス。ここに来るまでは聖女の正装で真っ白な衣装だったからこんなかわいいお洋服ははじめて。

 レイゼルさんと暮らしていた時もこんなお姫様みたいなドレスなんて来たことはなかったよ。

 リボンのついた可愛いポシェットももらったので、私は嬉しくてノートとペンをポシェットにいれる。

 すごい、私のポシェット! ポケットじゃなくてちゃんとしたかわいいポシェット!

 うれしくて持ち上げてずっと眺めていたら、


「気に入っていただけましたか?」


 って言われて、私はうんうん頷いた。


『かわいいお洋服ありがとう!ポシェットもかわいい』


 私が紙に書いてクレアさんに見せると、クレアさんはふふって笑ってくれた。


「喜んでいただけて何よりです。さぁ朝食の用意がしてあります。行ってみましょう」


 なんだかここは夢の国みたい。朝ごはんはなんだろう。

 昨日食べたスープがとっても美味しかったからまた出て来るといいな。




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