20話 デイジア視点
「お母さまっ!!」
聖王国の神殿で、デイジアは立ち去ろうとする母グラシアの衣服にしがみついた。
「どういう事ですか!? 私を聖女の任から解くなんてっ!?」
「【セスナの炎】で汚れた力などいらないと、長老会議で決まったのよ。
竜王国がその事実を知っている時点でもう隠しようがないわ。
あなたにもしばらくしたら沙汰がくるでしょう」
「そんなお母さまのお力でなんと……」
デイジアがしがみつくと
パシっ!!
デイジアの声を遮って、デイジアにグラシアは平手うちをした。
一瞬デイジアはわけがわからず、ぶたれた方の自分の頬を押さえた。
「お母さま?」
「あんたのせいでっ!!どれだけ私が馬鹿にされたと思ってるのっ!?
この役立たず!!ソフィアより無能だとは思わなかったわ!恥ずかしい!
お前みたいな役立たずは娘でもなんでもないわ!!」
そう言って、初めての母からの暴力に呆然としているデイジアを一瞥するとグラシアは「反吐がでる」と言いながら去っていく。
「お母さまっ!!」
デイジアが追おうとするが、グラシアの侍女に阻まれた。
なんで? なんで私がこんな目に?
竜王の妃になって歴代聖女の中でも最高地位について誉め称えられるはずだったのに!
(お母さまに恨まれて暴力を受けるのはソフィアの役目のはず!!)
竜王に選ばれたのは金髪で美しいデイジアではなく茶髪のみすぼらしい妹ソフィア。
デイジアの引き立て役で、優秀な姉のために犠牲になるのが当然だった妹が竜王陛下に選ばれて、デイジアは聖女の任すら解かれた。
(お母さままで私に冷たくなった。
いままで一心に愛をくれてたあのお母さまがっ)
【聖気】をもつほかのリザイア家の女子が聖女に任命される事になった場合、いままでほかのリザイア家の女児を虐めてきたデイジアは一気に窮地にたたされるだろう。
(これも全部全部あのソフィアのせいよ。
絶対許さないわっ!!ソフィア!!
必ず復讐してみせる!!)








