表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

無職徒然日記

しゃむくんとさいとうくん

作者: ビヨンド裕P

「おいっ、しゃぶれよ」


 さいとうくんは、なにやらすごくいらいらして、かはんしんをろしゅつしています。


「やめてよ、さいとうくん。ぼく、おとこのこと、そういうことはできないよ」


 さいとうくんは、ちゅうにちのぼうしをかぶった、たかぎくんのくちもとに、むりやりじぶんのいちもつをおしつけています。


「うるさい、おれは、のんけでもかまわないんだよ」


「そんな、むりやりはだめだよ」


 さいとうくんは、こういをきょひするたかぎくんに、むりやりいれるのをあきらめた。


「もう、どうしてこんなにいらいらするんだ。だれか、おれをしずめてくれよ」


 さいとうくんは、もやもやをはらすために、あたまをでんちゅうにうちつけている。あたまからはちがながれている。


「おいおい、きみ、だいじょうぶかい?」


 みちばたで、きこうをさらすさいとうくんをしんぱいして、たまたまとおりかかったいっぱんてきにちだいせいの、たかはしかずなりがこえをかけてきた。


「かずなり、しゃぶれよ」


「なにいってるんだよ?」


 さいとうくんがあまりにもおかしいことをいうので、はくじょうなかずなりはむしして、どこかにいってしまった。


「まてよ、かずなり、しゃぶれよ」


 いらいらが、ちょうてんにたっしたさいとうくんは、じめんをぐるぐるまわりはじめた。そして、めにつくものすべてにたいあたりをしている。


「しゃむくんあそこだよ」


 たかぎくんは、あばれまわるさいとうくんをとめてもらうおうと、こいびとのしゃむくんをつれてきた。


「さいとうくん、いらいらしているからって、まわりのひとや、ものにあたるのはよくないよ」


 しゃむくんとたかぎは、あばれるさいとうくんをひっしにとめようとふたりがかりで、さいとうくんのからだをおさえる。


「やめろ、はなせよ」


 からだのおおきいさいとうくんは、ふたりをちからでふりはらった。


「てか、しゃむじゃないか。ちょうどいい、おれのいらいらをとめてくれよ。おまえのあなで」


 さいとうくんは、たおれているしゃむくんを、むりやりおさえつけ、ずぼんとぱんつをちからづくでぬがす。


「むりやりなんて、だめだよさいとうくん。」


「おれのことをあいしてるんだろ?なら、いいだろ」


「あいしてるからこそ、だめなんだよ」


「なんでだよ」


 しゃむくんは、ちいさなからだでひっしに、あなにいれようとするさいとうくんをとめながら、かたりかける。


「せいよくをみたすだけのせいこういより、おたがいのあいをたしかめあう、ほんとうのせいこういのほうが、ずっときもちいいんだよ」


「どうしてだい?」


「つながってることをかんじられるからさ。ひとりじゃないことを」


 しゃむくんのことばに、ようやくさいとうくんは、しょうきにもどった。


「しゃむくんごめんなさい。おれ、いらいらして、このきもちをはらしたくて、あばれてた」


「おれこそ、ごめんやで」


「どうしてきみが、あやまるんだい?」


「さいきん、きみとあまりはなせてなかった。さびしかったんだよね」


「しゃむくん」


 さいとうくんは、すれちがいのさびしさから、いらいらしてあばれてしまったようです。


「さいとうくんしよう、あいのある、ほんとうのせいこういを」


「うん、しよう」


 こうして、しゃむくんとさいとうくんは、すれちがいをかいしょうし、おたがいのあいをたしかめあう、ほんとうのえくすたしーをかんじあいました。めでたし、めでたし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ