しゃむくんとさいとうくん
「おいっ、しゃぶれよ」
さいとうくんは、なにやらすごくいらいらして、かはんしんをろしゅつしています。
「やめてよ、さいとうくん。ぼく、おとこのこと、そういうことはできないよ」
さいとうくんは、ちゅうにちのぼうしをかぶった、たかぎくんのくちもとに、むりやりじぶんのいちもつをおしつけています。
「うるさい、おれは、のんけでもかまわないんだよ」
「そんな、むりやりはだめだよ」
さいとうくんは、こういをきょひするたかぎくんに、むりやりいれるのをあきらめた。
「もう、どうしてこんなにいらいらするんだ。だれか、おれをしずめてくれよ」
さいとうくんは、もやもやをはらすために、あたまをでんちゅうにうちつけている。あたまからはちがながれている。
「おいおい、きみ、だいじょうぶかい?」
みちばたで、きこうをさらすさいとうくんをしんぱいして、たまたまとおりかかったいっぱんてきにちだいせいの、たかはしかずなりがこえをかけてきた。
「かずなり、しゃぶれよ」
「なにいってるんだよ?」
さいとうくんがあまりにもおかしいことをいうので、はくじょうなかずなりはむしして、どこかにいってしまった。
「まてよ、かずなり、しゃぶれよ」
いらいらが、ちょうてんにたっしたさいとうくんは、じめんをぐるぐるまわりはじめた。そして、めにつくものすべてにたいあたりをしている。
「しゃむくんあそこだよ」
たかぎくんは、あばれまわるさいとうくんをとめてもらうおうと、こいびとのしゃむくんをつれてきた。
「さいとうくん、いらいらしているからって、まわりのひとや、ものにあたるのはよくないよ」
しゃむくんとたかぎは、あばれるさいとうくんをひっしにとめようとふたりがかりで、さいとうくんのからだをおさえる。
「やめろ、はなせよ」
からだのおおきいさいとうくんは、ふたりをちからでふりはらった。
「てか、しゃむじゃないか。ちょうどいい、おれのいらいらをとめてくれよ。おまえのあなで」
さいとうくんは、たおれているしゃむくんを、むりやりおさえつけ、ずぼんとぱんつをちからづくでぬがす。
「むりやりなんて、だめだよさいとうくん。」
「おれのことをあいしてるんだろ?なら、いいだろ」
「あいしてるからこそ、だめなんだよ」
「なんでだよ」
しゃむくんは、ちいさなからだでひっしに、あなにいれようとするさいとうくんをとめながら、かたりかける。
「せいよくをみたすだけのせいこういより、おたがいのあいをたしかめあう、ほんとうのせいこういのほうが、ずっときもちいいんだよ」
「どうしてだい?」
「つながってることをかんじられるからさ。ひとりじゃないことを」
しゃむくんのことばに、ようやくさいとうくんは、しょうきにもどった。
「しゃむくんごめんなさい。おれ、いらいらして、このきもちをはらしたくて、あばれてた」
「おれこそ、ごめんやで」
「どうしてきみが、あやまるんだい?」
「さいきん、きみとあまりはなせてなかった。さびしかったんだよね」
「しゃむくん」
さいとうくんは、すれちがいのさびしさから、いらいらしてあばれてしまったようです。
「さいとうくんしよう、あいのある、ほんとうのせいこういを」
「うん、しよう」
こうして、しゃむくんとさいとうくんは、すれちがいをかいしょうし、おたがいのあいをたしかめあう、ほんとうのえくすたしーをかんじあいました。めでたし、めでたし。