凶禍の呪術師、恐るべき力を発揮する
評価を……、評価を下さればやる気メガ盛りMAXです(欲しがりお化け並感)
「何……今の声は……?」
俺が意識を失いかけた、まさにその瞬間――
突然女性の声が、この場に鳴り響いた。
そしてそのすぐ後に、今度は別の女性の、それも機械的な声が頭の中に響いたのだ。
なんだ、今の声は……?
俺の頭はもう……おかしくなってしまったのか……?
いや、違うな……。
目の前の吸血鬼も不思議そうに周囲を見回している……。
それでは一体……一体あの声の主は……?
朦朧とした意識の中、そこまで俺が考えている時に異変が起こった。
「――ぐッ!? ぐああああああああああああああッ!?」
何故か突然に、俺の首を締め上げていた吸血鬼が苦しみ始めたのだ。
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「ど……どうなっているの……?」
お姫様はそう口にした。
守る兵士達も、全員が驚いている。
「が……ッ、ぐぅあ……ッ!! があああああ!!!」
吸血鬼はついに、俺の首から手を離した。
それから地に伏しながら、激しくのたうちまわるように苦しんでゆく。
俺も、美しいお姫様も、ゲルフと呼ばれていた護衛騎士団長も、周囲の兵士達も――
誰一人として目の前の光景に説明がつかず、突然苦しみだした吸血鬼をぼうっと見ていることしかできなかった。
――しかし。
すぐにその理由は、理解できたのだ。
「お、おい!? 吸血鬼の身体が……爛れてゆくぞ……ッ!?」
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「馬鹿なッ!? 相手は夜は無敵の吸血鬼だぞ……ッ!? しかも……しかもあれではまるで、呪いを受けたようじゃないか……ッ!?」
「ありえないッ!? 吸血鬼は不死の王とまで呼ばれている存在だぞッ!? 【聖魔術師】系統スキル持ちの強力な聖魔術でも喰らったのならまだしも、間違っても相性の悪い【呪術師】系統の魔術が効く相手じゃないだろッ!? それに術師はどこにいるって言うんだ!? まさか、さっきまで初級魔術しか使っていなかった彼ではないだろう!?」
そうだ、最後の兵士が声を上げた内容がまったくもって正しいと俺も思う。
不死の王、吸血鬼に【呪術師】系統の魔術が効くものか。
そんなことは魔術を少しかじった者ならば、当然の知識だ。
だがしかし――現実には起こってしまっているのだ。
信じれないことに、不死の王である吸血鬼の身体が腐食しているのだ。
そうこうしているうちに、奴の青白くも整った顔はみるみる醜く焼け爛れてゆく――
そしてついには――元々の顔が判別できない状態まで腐食が進んだ。
さらには奴の両手も、どろどろと流れるマグマのように爛れていた。
紳士服を纏った全身までもが、そうなっているということまでも容易に想像できた。
「がぁッ……がばぁッ……!? 何が……ッ、起こっでいる……ッ!? 僕は何を……何をざれだんだッ!?」
あまりの凄惨な光景に、俺はいまだ動くことができなかった。
そして、何故そうなったのかも当然に理解できなかったのだが――
その後、すぐに"原因"が現れるとは、思いもしなかったのだ。
『――危なかったな、我が愛しき主よ』
続きは本日8/25中にアップします!
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