あなたなら
誰もが一度は思ったことがあるだろう。
過去に戻れるなら、どれだけ人生を変えられたか。
〜プロローグ〜
「松田優太」
限りなく平凡で、ありきたりな日々を過ごしてきた大学生三年生だ。
家族構成としては両親に歳の離れた兄二人、自分に10歳離れている妹が一人である。
父親は警察官で母は元婦人警官であり、二人の兄も警察官である。
妹はまだ小学生で、働いている兄二人は家を出ており、実質四人ぐらしだ。
「やる気でねぇ〜」
誰もいない自身の部屋でベッドに寝っ転がりながら、
ポツリと独り言を呟く。
優太と妹以外、家族全員が警察官を経験している為
特に就活もせず、なんとなく公務員試験の勉強を行っている。
今年大学三年生の優太からしてみれば、社会に出るという実感が無いので
もちろんやる気など出るはずもなく、アニメを観たり、漫画を観たりと日々を無駄にしていた。
「優〜ご飯〜」
母に呼ばれてご飯を食べ、風呂に入りベッドに寝っ転がる。
今日も無駄に1日が終わる。
部屋を暗くしてベッドに仰向けになり、携帯でアニメを観ながら
ふと、優太は思う。
過去に戻れたらなあ
そんな、あり得ないことを考えながら携帯を観ていると
いきなり画面に映るアニメの音声がおかしくなる。
ザァァァァァァァァァ
アナログ放送をテレビで流した時に聞いたことがある、砂嵐ってやつだ。
「なになになに!?」
音だけでなくアニメの画面まで灰色になり、なにも映らない。
真っ暗で静寂だった部屋は、砂嵐の音と優太の焦る動きで
一気にうるさくなる。
携帯の電源ボタンは反応せず、音も小さくならない。
「どうなったんだよ!!」
大きな声で叫ぶ優太
次の瞬間いきなり画面が真っ暗になり、音もおさまる。
「なんだったんだよ。」
ため息まじりに愚痴をこぼしながら、携帯に電源をつけると
文字が浮かび上がった。
過去に戻りたくないですか?
YES / NO
「なにこれ、、、」
そんな言葉を呟きながら優太は躊躇することなく
YESを押した。
初めての投稿です。
よろしくお願いします。