ラーメンを食べよう
二ヶ月に一回しか書かないからどっちがトモエでどっちがレナか分からなくなります(笑)
「極悪非堂のラーメンが食べたい」
トモエの一言で俺達は近所にある行きつけのラーメン屋へとやって来た。
「いらっしゃいませ! お一人ですか?」
「……はい」
正確には三人だが両手の二人はポケットに突っ込んで隠している。
「お好きなお席へどうぞ」
俺は死角の多い角の席に座り、両手を出した。袖の長い服から二人の頭と腕がチラリと見える。
「よっし『極悪非堂特製残虐スペシャル盛り』だな!」
「私は普通の醤油ラーメンが良いな」
「……一人前食えるのか?」
小人サイズの二人が真面に一人前を食べられるわけがない。ましてニンニクやチャーシューが塔の如く列なる『極悪非堂特製残虐スペシャル盛り』なんて…………。
「あ」
「確かに」
二人は顔を見合わせ暫し冷静に考えて始めた。
「……醤油ラーメン分け合うか」
レナの提案にトモエが頷いた。
「いいの?」
「いんだよ、元々はトモエが行きたがってたんだから」
「……よし、任せろ」
「?」
「?」
不思議そうな顔をする二人を余所に、俺は店員を呼んだ。
「お決まりでしょうか?」
「醤油ラーメンと残虐スペシャル丼を一つずつ」
「畏まりました。繰り返します、醤油ラーメン一つと残虐スペシャル丼を一つですね。少々お待ち下さい」
店員が去ると、二人が袖口からひょっこりと姿を現した。
「残虐スペシャル丼?」
「どうすんだ?」
「まあ、見てろって」
「お待たせ致しました。醤油ラーメンと残虐スペシャル丼になります」
運ばれてきた熱々の醤油ラーメン。ココのラーメンはメンマが巨大で歯ごたえが良いのが評判だ。二人は家から持ってきたマイ皿を取り出し、ラーメンをよそっていく。
「レナ、残虐丼の肉をラーメンに乗せるんだぜ?」
「!」
レナは嬉しそうに残虐丼のチャーシューを自分のラーメンへと乗せた。一切れのチャーシューでもレナからしたら巨大な肉の塊。そして黒ニンニクが利いた香ばしいチャーシューをガブリと齧り御満悦の表情を見せた。
「サンキューケンタ!」
「いいってことよ……それより俺も食べたいんだが…………」
二人はラーメンにお熱なようで、二人が終わるまで俺は待つしか無い。そして二人が食べ終わる頃にはラーメンはノビノビになっていた…………
「ご、ごめんなさい!」
「す、スマン! あまりの旨さに止まらなくて……!!」
「二人が幸せならそれで良いさ……」




