右手にトモエ 左手にレナ
久々の……更新!!
「と、言う訳でこんなんなっちゃいました」
……
…………ポトッ
ケンタの親父は口を開けたまま、箸で掴んでいた唐揚げを床に落としてしまう。いきなり「両手が女の子になりました」と聞かされた父の頭には犯罪臭や賠償金、誘拐、変質者等の問題がグワングワンと過っていた。
「あらあら、可愛らしいわねぇ♡ ゆっくりしていきなさい」
「す、すみません……」
「宜しくお願いします……」
トモエとレナは引きつった笑顔でケンタの両親に挨拶をした。何とも気まずい空気に、ケンタは戸惑いを隠せずに居た。
(やはり正直に言うのはマズかったか……!?)
その間にも次々と減る唐揚げ達。ケンタの妹達は容赦無く唐揚げを頬張っている。しかし、そこへ助け船を出したのも妹である長女メグミだった。
「お兄ちゃんは女の子に指一本触れられないヘタレだから、大丈夫でしょ……」
「そうよアナタ。この子はシャイで優しい子なんだから変なことはしないわよ?」
妹と母の言葉に、少し冷静になる父親。そして落ちた唐揚げはいつの間にか消えていた。
「分かった。でもちゃんと二人のご両親には説明するんだぞ?」
「……分かった」
「はい」
「すみません。ご迷惑おかけします」
ペコリと頭を下げた二人は、その手には大きい唐揚げを黙々と食べ始めた。そしてケンタは思った…………
(俺、食えなくね?)
「ふふ、ご飯部屋に持っていきなさい。ココだと食べ辛いでしょ?」
何かを察した母親に促され、部屋に戻るケンタ。ご飯は一口サイズのおにぎりに作り直されレナが両手で抱えながら口へと運んだ。
「ほらよ」
「な、なんか恥ずかしいぞ……」
「な! こっちだって恥ずかしいんだから早くしろよな! 喉の奥に放り込むぞ!?」
開いたケンタの口にレナの手からおにぎりが放り込まれた。何とも言えない『あ~ん』に、二人の顔は完全に紅潮していた。
「次は私ね?」
両手で抱えた唐揚げは、まるで肉の岩石のようだった。ケンタは再び恥ずかしそうに口を開け、トモエの唐揚げを受け入れた。
「美味しい?」
「ああ……」
もうこれ以上無いくらいに恥ずかしさで真っ赤な顔をしているケンタ。そんな彼を見て、二人は互いに目を合わせにんまりと笑った。