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大変な事になった!!

ホテルで幼馴染みと合体したら、腕が幼馴染みになってしまったでござる!

 ケンタの両手から生えている小さなレナとトモエ。手首と二人の腰から上が完全に繋がっている!!


「落ち着いてフロントに電話だ!!」


 受話器へと右手を伸ばす。トモエの頭が受話器の直ぐ傍まで来たところで、トモエは両手で受話器を掴んだ。


「うへへ♪ 何だか面白いね!」


 現状を楽しんでいるトモエ。彼女は変な所で肝が据わっていた。レナが拳でボタンを押すと、程なくしてフロントへと繋がった。


「はい、フロントでございます」

「この野郎!! 大変な事になっちまったぞ!! 早く治せ!!!!」


 有らん限りの力で受話器へと叫ぶケンタ。


「ケンタ君静かに……!!」


 受話器を持つトモエが険しい顔をする。


「あ、ごめん」


 ケンタは静かに受話器へと耳を傾け従業員の言葉を待った。


「お客様心配は要りません。これはちょっとしたスパイスでございます。直ぐに戻りますのでお気になさらずにお続けになって下さいませ♪」


  ―――ガチャ


 通話はそこで切れてしまった……。


「で? 何だって?」


「直ぐに戻るってよ……本当かなぁ?」


 しかし、今は胡散臭い従業員を信じる他なく、ケンタは仕方なくベッドへと横たわった。柔らかいベッドが今は逆に腹立たしい。


「一体何なんだこれは……」


 左手のレナは腰に手を当て「さあ?」と首を傾げた。右手のトモエは自分の体に興味津々の様子で、あちらこちらを見ている。


「凄いよこれ! 繋ぎ目が無い!」


 トモエはバッとシャツをめくり、突然ケンタの右手首からトモエの豊満な下乳までが露わになった……。


「キャー! ブラジャー外してたの忘れてた!!」

「何見てるのよ!!!!」


  ―――ドゴォ!!


 ケンタの左手が勝手に動き、レナの頭突きが俺の左頬へと的確に決まった。ケンタは首がゴキリ……と音を立てそのまま気絶した。


「あ……」


「あ~あ……」


 白目を剥くケンタ。見るからにノックアウトだ……。


「……起きるの待とうか」


「そうだね♪」


 レナは顔を顰め、トモエは今の状況をとても楽しそうに笑っている。普段ケンタを介して話している事が多い二人は、二人きり、それもこの様な状況で何を話すべきか……とても会話に困っていた。


「…………」

「…………」


「……あ、あのさ……」

「……何?」


「今日は付き合ってくれて、その……ありがとね」

「遊園地楽しかったね♪」


 地元の不良メンバー『吸糸火照徒(スイートポテト)』のリーダー。それがレナのもう一つの顔である。そんな彼女は可愛い物が大好きなのだが、表だって楽しむことが出来ず、唯一本性を知るケンタとトモエと共にテーマパークへやってきたのだ。


 元々三人は幼少からの幼馴染みであり、友人と言うか家族に近い存在。それくらい長い時を一緒に過ごしてきた。


「また来ようね♪」

「……そうだな! また来よう!」


 レナは自分の裏表を知りながら、未だ変わらぬ友好を続けてくれるトモエに深い感謝と共に罪悪感を抱いていた。


「ケンタ君と一緒に、ね♡」

「……あ、ああ!」


 トモエがケンタに想いを寄せていることは、長い付き合いから察しているレナ。しかしそれはレナ同じであり…………

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