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おはなし
青木は女運が悪い。
青木と知り合ったのはごく最近のことだが、
その短い付き合いでもどれだけ悪いのかは分かる。
席に着きながらさっきの話を思い出す。
「「別れたのは想像と違ったから」」と答えていたがきっとそんな理由ではない
そもそも楽しそうにしておきながらそれはないだろう。
(てことはまた向こうから振られたのか。)
青木はさも自分が振ったようにふるまう。それもいつものことだ。
青木は女子によく選ばれ、数日後には女子に笑顔で別れられる。
「誘われるのは良いはずなんだけどな」
俺はボソッとつぶやき、青木をみる。
そんな彼は夢の世界への準備を進めていた。
講義が始まる。
俺はゆっくりと前を向いた。