おはなし
「よ!」
と俺は不意に声をかけられた。
振り向くとそこにはお馴染みの男
青木が立っていた。
「何してたんだ?」
青木が質問しながら俺の前の席に座る。
「いやなんかあっちの席のやつがプレミアチケットが
どうのこうの言ってたから見てただけ」
と俺は答える。
「チケットって、まさか□□ちゃんのやつ?」
と青木、
「そーらしいけど。あれ?お前□□ちゃんとか好きだったっけか?
あんまそんな話聞かなかったから知らんかった」
俺は青木の言葉に少し驚きながら答えた。
「え? ちがう、ちがう。今回チケット枚数少なかったし
あの子かなり人気だから当たれば高値で売れるかなと」
「そんなことだろーと思ったよ」
と俺は青木の相変わらずぶりに安心した。
「しっかしよぉ、こう平和であると眠くてかなわねぇなぁ」
ふわぁとあくびをしながら青木は言う。
「平和じゃなくても眠いくせに」
昼飯を食い終わった俺は、立ち上がりながら言った。
「正解!」
キシシっと笑いながら青木も立ち上がった。
「そーいやお前、彼女どうしたんだよ。一緒じゃねーのか?」
「ん? ああわかれたよ。」
俺の質問に青木はさらっと答えた。
「は? なんで? 楽しそうだったけど」
食器を片付けながらさらに質問する。
「いやぁ。想像と違ったぞ?あいつ」
青木は嫌そうな顔で話をする。
「あら、そう」
青木の彼女話は触れないほうがいいなと思い、話を切った。
青木も話したくないようで次の講義の話をしている。
俺もさっさと準備をしよう。
そう思いながら歩きだした。