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掌編小説集9 (401話~450話)

熱中、無関心

作者: 蹴沢缶九郎

近くで爆発音が聞こえ、それに伴う爆風と衝撃が辺りを襲った。飲食店のガスが爆発したのかもしれないし、隣国から発射されたミサイルが着弾したのかもしれないが、そんな事はどうでもよく、道行く人々は皆一様にしてスマートフォンから視線をそらさずに歩いている。

俺も同様である。どうせ放っておいても、どこかの誰かがどうにかするはずだ。そんな事よりも今大事なのは、自分の手の中にあるスマートフォンであり、画面に映し出される結果なのだ。


突然、身体に衝撃が走った。


俺は車にはねられたのかもしれない。俺がスマートフォンの画面に夢中になり、赤信号を見落としていたのかもしれないし、スマートフォンの画面に夢中になったドライバーが俺をはねたのかもしれない。

身体の激痛に薄れゆく意識の中、俺が最後に見た光景は、人々が相も変わらずスマートフォンに目を向けている様子だった。

きっと、俺は助からないのだろうが、そんな事よりも今大事なのは、自分の手の中にあるスマートフォンであり、画面に映し出される結果なのだ。



スマートフォンに支配された形の人類を憂いた神は、人類を滅ぼそうと思案した事もあったはずだが、そんな事よりも今大事なのは、自分の手の中にあるスマートフォンであり…。

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