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彼女の死  作者: 遠藤良二
11/14

彼女への憶測な気持ちと、亡くなった彼女のお参り

 僕は律子さんを車に乗せて運転しながらあることを思った。


それは楓の自殺と友人の窪田の彼女が手首を切って自殺未遂をしたことだ。


『自殺』という点でリンクしたのか、窪田に理由を問いたかった。


なぜ、彼女は手首を切ったのか、ということ。


帰って来たら連絡してみよう、と思った。





 車の中は、この前買った新曲のCDが流れている。


ちなみに、歌はポップス。


律子さんも、

「あ、この曲いいよね!」


と、言ってくれた。


うん、とあいづちをうつと僕はあることを思った。


それは、律子さんがデート気分なんじゃないかと。表情も明るいし。


でも、それでは正直困る。


今のところ僕は律子さんに恋愛感情ははっきり言って、ない。


それに、楓にも申し訳がない。


こういう思いが勘違いならいいのにな、と思う。


もしかしたら、本当に勘違いかもしれない。


ただの自惚れじゃないかと。


ただ、律子さんのことは嫌いではない。




そのようなことを考えながら運転していた。


あと、もう少し。


もう少しで楓の実家に着く。


そして、なきがらになってしまったが楓にも会える。


そう考えただけで気分は高揚した。


車中で、ほとんどこちらからは話しかけなかったからなのか、ちょっとだけ気まずいような感じがするのはそれこそ勘違いだろうか。


「もうちょっとで着くね」


と、律子さんは言った。


「そうだね、もうすぐだ」


と、僕。


「あんまり慎吾君、喋らないけど何か考え事でもしながら運転してるの?」


これは『女の勘』てやつだろうか。


内容まではわからないだろうけれど、確かに考え事をしていた。


「考え事と言っても楓の事さ」


と、あながち嘘ではない事を言った。


それ以上は何も言われなかった。




 それから五分程走り、ようやく到着した。


楓、着いたよ。


と心の中で呟いた。


車から降りて家のチャイムを鳴らした。


「はい!」


と、言って出てきたのはお母さんだった。


「どうも、慎吾です」


「あら、来てくれたのね」


と、少し笑みを浮かべながらそう言い、


「そちらの方は?」


「楓の友達の、」


「林律子です」


そう言いながら頭を下げた。


「初七日、来れないかもしれないので来ましたのでお参りさせてください」


そう伝えると、


「ああ、そうなの。どうぞ、あがって」


そう言ってから、僕らはお邪魔した。

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