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彼女の死  作者: 遠藤良二
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突然の出来事

 僕の彼女は今朝、眠るように自身の車の中で亡くなっていた。


死因は練炭による自殺だった。


考えられる動機は最近、僕の浮気が彼女の耳に入ったこと。


でも、浮気をされて自殺するような気の弱い女ではないと思うのだが…。


彼女の部屋に今朝訪れたのは、僕が昨夜、忘れ物をしたからだ。


アパートの駐車場に彼女の車がいつものように停まっていたので何気なく覗いてみると、すでに変わり果てた姿になっていた。


僕は、それを見て慌てふためき、車のドアノブを何度もガチャガチャと上げ下げした。


だが、施錠されて開くことはなかった。


彼女の部屋の合鍵でドアを開けて、車のキーがいつも置いてあるテーブルの上を見た。


すぐに車に戻り、ドアを開けた。


すると練炭の煙が一気に出てきた。


その臭いを我慢して、彼女を揺すぶってみた。


「おい!楓!!おい!!!」


と。


だが、楓はピクリとも動かなかった…。


それからも、何度も何度も叫びながら揺すぶった。


彼女の身体が壊れるくらいに。


…だが、だめだった……。





 浮気をしたのは少し間がさしただけで、本命の女がこういう形でいなくなると、こんなにもつらく悲しいものだとは思わなかった。


 葬儀は近親者のみでしめやかに行われた。


僕は、悲しみに暮れる中でもどこか冷静な部分があり、


『そもそも、死とはなにか。どんな生物も逃れられない、いずれは訪れる「死」。そんなことは誰もが知っているはず。それでも近しい人間が亡くなれば人は悲しむんだ』


そのようなことを考えていた。


僕も彼女を亡くして意気消沈している。


友人の林律子が声をかけてくれた。


「大丈夫?」と。


律子は、亡くなった森下楓の同級生だ。


ちなみに僕の名は、堀下慎吾、21歳。


先に天国へ旅立った森下楓は、23歳。


なぜ、彼女は死ななければならなかったのか…。


楓を追い詰めたのは一体何なのだろう…。



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