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伝説のシャベル  作者: KY
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3-34 マイナーチェンジ

 いざ出発。と行きたい所であったが少々装備を整える事にする。身体能力が向上したとはいえ手は二つしか無い、多くの荷物を持つには袋や鞄が必要であるし荷物も持ち運びやすいようにする必要がある。装備の一部更新もしたい。


 とりあえずはヘルハウンドの大盾から手をつける。丈夫な頭蓋はサイズの割には軽く感じるのだが如何せん動くには邪魔だ。しかし、頼りになる防具であり今持っている武器の中でも最高の攻撃力を誇っているのも確かだ。巨大な橙色の宝玉はオーラを通せば100m前方に直径30m、爆風だけであればさらに遠くまで衝撃を与える大爆発を引き起こす。強力無比な魔法ではあるが消費オーラが非常に高く使いどころが極めて難しい。接近されると当たらないので適正な距離を保つことが必要だが、ヘルハウンドが他の野犬達を引き連れていたのは足元を固めたり時間稼ぎの為だったのかもしれない。


 今この大盾は乱雑に巻かれた皮紐に腕を通す形で運んでいるが手で掴んで持つと重力で下を向きがちであるしどうにも安定しない。苦心しつつもブッシュナイフで頭蓋の両脇を削って太目の溝をつくり牛角さんの厚く太い皮のバンドを固く巻きつける。革も何重かに巻けばかなりがっしりとしたものとなる。長めの紐も学園より拝借し盾とバンドの間に通し背負えるようにする。穴を掘るときにはシャベルは両手で持つものだ、片手ではやりにくい。ついでに地や汚れを取り除き軽く洗ってやると、モンスター特有の黒い骨に光沢が生まれ頼もしくも光を反射した。


 槍も改良する。今は先端に牛角さんの角や牙付きの大牙を穂先に、柄は木製で溝を掘って合わせ革紐で固定されている。軽くて扱いやすいが耐久性に難が有る。それでもその軽さと長いレンジは魅力だ。だが、今では自分の腕力に比べて明らかに脆過ぎる。穂先をヘルハウンドの牙に換え、学園の体育倉庫にあったポールを柄とする。金属製と思われるポールであるがブッシュナイフやシャベルに比べるとかなり脆い、だが加工も出来るし木製よりは大分マシになった。ただ、いずれこの槍も身体能力に追いつかなくなるときもくるだろう。その時は扱いは難しくともシャベルが主な武器となりそうだ。


 篭手、脛宛にヘルハウンドの骨を当てて上から革で巻きつけ補強する。宝玉も大きめのものに換装、各種装備の補修を済ませる。さらに食料として焼きしめられたパンや保存食を学生の残留組から受け取る。


 そして、今まで集めた中でも小さな宝玉を細い枝と共にこれまた小さな杖に加工。布でベルトのようなものを作らせフィアに渡す。ちなみにこれらの加工はロッカーがやってくれた。仕上げもなかなかで悪くない才能の持ち主だ。フィアのオーラの量はそれなりにある、というか増えたために多少は魔法が使えるキャパシティがあるらしい。ただし。


「妖精はオド、おじ様の言うオーラだけどサ。これが減ってくると死んじゃうんだヨ!他のヒトもホントにたくさん使うと危ないけド妖精は特にダメダメなのネ・・・」


 このセカイのヒトはオーラが下限値を下回ると死ぬらしい。その点元々はオーラを持たない自分は倦怠感を感じるものの死には至らないだろう、魔法を限界まで使うことができそうだ。妖精は逆に殆どがオーラで生きているために中々にリスキーらしい。ただ、最低限自衛はしてもらいたいので橙・黄・緑の宝玉のついた小さなプチステッキを見につけてもらうことにした。ただ尻尾を介して必要なオーラを俺から吸い続ければ消費量の少ない魔法を撃ちっぱなしでも大丈夫なようだ。これはプチステッキの練習の際明らかになったのだが。


 学園からフィアの反応が示す方角を見たが、遠いためか何があるのかは見えない。地底世界も靄がかかっている部分が案外多く時の止まった地面が出るかモンスターが飛び起きて襲ってくるのか。装備を整え必要なモノを袋に入れるとかなりの大きさになった。包帯教師、ロッカー、元王女が後ろからついてくるらしい。ナイトや地上組の学生達は地底から助けたヒトビトのうち地上に出ることを希望する

ヒトへの対応で忙しそうだ。せいぜいクイーンにもよろしくやるよう言付けを頼んだ。ここで苦労すべきはもはや自分ではない、ただ自分は掘り進めるのみでいい。包帯教師によるとドワーフの首都は『ナック』と言うらしい、鉱山資源が豊富な巨大な鉱山の内部に位置し様々な加工品を作っていたらしい。その造り上うまくモンスターの襲撃をかわせている可能性が低くないらしい。少し楽しみだ、この手作り感あふれる装備の数々をまともな職人に加工してもらえばより格好いいものが出来上がるに違いない!

 

 目標地点、ドワーフ首都、鉱山内都市『ナック』!


 

読んでくださりありがとうございます。次から新章とする予定です。

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