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伝説のシャベル  作者: KY
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3-23 ゼノジニック

「ネー、おじ様?フィアはおじ様とだったら・・・いいヨ?」


「・・・まあまあな冗談だ」


 いきなりとんでもない事を言い放ち流し目でワンピースの裾をチラチラ捲って来るフィア。仮にするにしても物理的に、身長30cmそこそこのサイズでどうしろというのか。ちなみにこの世界に来てから強化されたのは体の筋肉だけではない、全身だ。理屈は分からないが。まあ、この男女の阿呆顔を見ながらの軽口としたら上出来だ。


「む~、冗談じゃないヨ。フィアの首から下くらいまでの長さでショ?多分、大丈夫・・・カナ?」


 わかっているならどう考えても無理な事はわかるだろうに。それに大きさなんて何処で知ったのか「エ?トイレ」・・・納得だ。確かに用を足すときにもわざわざコイツから隠れることもしなかったが。いや、たしかに妖精はシリコン樹脂のように柔らかく良く伸びるが。本気だとしても、そもそも種族が違う。


「ン~?妖精は女しかいないケド。それに種族が違っても子供は出来るヨ!ただ赤ちゃんはお母さんと同じ種族になるケド」


 母は強しとでも言えばいいのか。いやはや恐れ入る、種族が違っていても子供が出来るとは。確かに種族間のハーフが生まれるのであれば今頃種族なんて混ざり合って消えているだろう。ただ、そうするとわざわざ種族毎に暮らしているのは何故だろうか。


「それは種族が違うと子供ができ難いからだよ。ダンナに妖精様、こっちにはまだ幼い子供がいるからその辺で勘弁してくれないかい?」

 

 見ればロッカーは赤い顔をしながら男女をしっかりと見ている。年頃か、興味を持つのも仕方あるまい。こちらとしても、まあ眼福といったところだ。包帯教師の話はともかく確かに時間を使いすぎた、フィアの話は置いておくとしてそろそろ作業に戻る。この男女と小便中の女が目覚めた瞬間のリアクションが楽しみだ。



 掘り起こした。今3人は獣人コンビが持ってきていた布で局部を隠して居心地悪そうに座っている。時が動き出し、男の腰も動き出した瞬間にこちらと目が合った。そのときの悲鳴ときたら!今でも思い出し笑いを禁じえない。用を足していた女性のほうもそれなりに良いリアクションだったが男女がタイミングを合わせたかのように同時に大口で悲鳴をあげた事を思えばまだかわいらしいものだった。現在は獣人コンビから状況の説明を受け、混乱しつつもようやく飲み込んだところだ。話によるとこのムラはまだモンスターに襲われていなかったらしい。閉ざされた世界とはいえ面積を考えれば膨大、そのような地域もあるだろう。そのせいで幾霜年にわたり痴態をさらし続ける事となっていたのだが。


 その後もフィアのレーダーを頼りに7人の男女のエルフを救出した。しかし、エルフというのは高飛車な性格の者が多いようで困る、命令口調で話しかけてくる者が多いので、仕方なく静かになるように説得をさせて頂いた。少々髪がこげたり手傷を負った輩がでたが、問題無い。次は無いと言ってあるしそれは冗談では決して無い。学園での話をロッカーから聞いた面々は顔を青くして大人しくなった。


 とりあえず救出した10人を連れて獣人コンビには先に戻ってもらう。こちらもう少しこの間抜け領域周辺の調査を進めたい。気になる地形が見えたのだ、それは上から下まで貫くように見える劣化したクリスタル。この間抜け領域から少し進めばそのラインに合流できそうだ。小休止を取ると立ち上がり、前を目指すことにした。 

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